先日正式開通したばかりのホーチミンメトロ1号線・トゥードゥック駅 (Gà Thủ Đức)。
ホーチミン市直轄トゥードゥック市ビントー (Bình Thọ) 区に位置する駅であり、近辺には大学があることもあってか、駅の周囲は中々に栄えています。
そういえば以前、「トゥードゥック駅でカフェホッピングに興じよう」というフライングにも程がある途中下車記事を書いたんだったな…。
今回はメトロに試乗がてら、こちらの駅で降りて晩ご飯を食べてきました。本記事ではトゥードゥック駅近くのブンリュウ専門店「Bún Riêu Út Nhỏ」をご紹介します。
メトロ1号線・トゥードゥック駅
メトロが正式開通した翌日…その夕方、私は1号線に乗車していました。初日の熱狂ぶりはどこへやら、通勤・通学に利用していると思わしき人々の姿もあり、既にメトロはホーチミン市民の足となっているようです。
トゥードゥック駅で下車。前述の通り、トゥードゥック市ビントー (Bình Thọ) 区に位置する駅であり、この辺りは旧トゥードゥック区の中心でもありました。
ハノイ高速道路を跨ぐように歩道橋が掛かります。無機質、それゆえに格好いい！
歩道橋が出来たからこそ、このような画も撮れるわけですよね。ハイウェイをバックに写真撮影に勤しむ人の姿もちらほら。
「Bún Riêu Út Nhỏ」の場所・雰囲気
駅を出て、こちらのグエンコンチュー (Nguyễn Công Trứ) 通りに入ります。薄暗いですが、憶せず進んでいきましょう。
そのすぐそばにある、元気なオレンジ色が目を引くお店が「Bún Riêu Út Nhỏ」。看板のカニさんマークが可愛い。こちらのお店を含め、トゥードゥック市内に計3店舗を有するチェーン店です。
店内はこんな感じ。エアコンは無いものの、夜ということもあり涼しく過ごしやすい。構造的にはよくあるローカル食堂ですが、黒とオレンジで統一された内装や、柱にあしらわれた色とりどりのタイルなど、センスが光ります。
竹で編んだようなシェードのペンダントライトも、アジアンリゾート感があって良い。
「Bún Riêu Út Nhỏ」のメニュー
「Bún Riêu Út Nhỏ」のメニューはこちら。
今さらですが、「Bún Riêu（ブンリュウ / ブンリエウ / ブンジウ）」とは、ベトナムの麺料理の一種で、トマトで作ったほんのり酸っぱいスープに、ブン（細く丸い米麺）を入れたもの。それにカニのすり身を加えた「Bún Riêu Cua（ブンリュウクア）」が、こちらのお店のメインです。
九州民歓喜？甘ーいブンリュウ
着丼。「Bún Riêu Cua Đặc Biệt（ブンリュウクア・ダックビエット）」65,000ドン。「Đặc biệt」は「特別」の意であり、大抵は具材の全部盛りを指します。迷ったらこれを頼んでおけばOK。
ぶっちゃけちょっと高いな…と思いましたが、これだけ具材が乗っていればこの金額も納得。見てください、このでっかい骨付き豚肉。CoCo壱番屋の「ホロ肉ドカンとBBQカレー」がベトナムのココイチでは食べられないので、代わりにこちらで塊肉欲を満たしたいと思います。
一方で、メニューにあったタコ（Bạch tuộc）がĐặc biệt に含まれていないのは残念。以前8区で食べたタコブンリュウが美味しかったので、ここでもタコを食べたかったのだが。
もちろんあります、付け合わせの野菜。バナナの花に香草、空芯菜と、軽く茹でたもやしなど。
卓上の調味料。もともとブンリュウのスープには仄かな酸味がありますが、レモンをきゅっと絞ったりタマリンドソースを加えるとさらに味が締まります。
さて実食。麺をずずっと啜ると…えっ、どえら甘い。前述の通り、スープはほんのり酸っぱいはずなのですが、こちらのブンリュウは酸味一切無し！まかり間違っても「さっぱり」という形容は成されない、超こってり味です。
褐色通り越してオレンジ色のスープからも、そのこってりさが伝わるはず。確かに南部では甘い味付けが好まれますが、これ程までとは。
前述の通り卓上の調味料で色々と味変できるので、飽きは来ないと思います。甘いだけでなく、カニの旨味も加わるし。
あと、トッピングが大体全部美味しい。噛み応えあるソーセージとつぶ貝が良い感じ。肝心の豚塊肉は皮の割合が高かったかな…もちろん、ちゃんと肉も付いていましたが。
ご参考までに、ホーチミン市の他の店で食べたブンリュウクアの写真です。こちらも酸味は控え目でしたが、「Bún Riêu Út Nhỏ」のものほど甘みはなく、むしろ胡椒がピリッと効いたスパイシーでパンチある味付け。
さらなる参考情報として、北部風の味付けをした料理を出す店でのブンリュウクアはこんな感じ。同じ料理とは思えないほどに澄んだ見た目のスープをしています。ほどよくトマトの酸味が感じられ、スープまで飲み干せそうなさっぱり味。
完食。同じブンリュウでもここまで違うのだなあ。どれが一番秀でているとかでは無く、ただただ奥深いと感じました。
