ダラットに残るバオダイ第1・第3宮殿の見どころを巡る

ラムドン省

ベトナム中南部、標高約1,500メートルの高原都市「ダラット (Đà Lạt)」。年間を通じて冷涼な気候に恵まれ、フランス統治時代に避暑地として開発された歴史を持ちます。

そんなダラットを語る上で欠かせないのが、ベトナム最後の王朝・阮(グエン)朝第13代皇帝であるバオダイ帝ゆかりの宮殿(離宮)。かつて皇帝が政務を執り家族と過ごした邸宅が今も残されています。

バオダイ帝の生涯やら詳しい歴史的背景やらについての解説は他サイトや専門書籍に譲るとして、本記事では第1宮殿と第3宮殿のディテールを中心にご紹介しますよ。

3つのバオダイ宮殿

ダラットには「Dinh Bảo Đại(バオダイ宮殿)」と呼ばれる洋館が3つありますが、一般公開されているのは第1宮殿と第3宮殿の2か所のみ。

第2宮殿はかつてフランス総督の別邸として建てられ、現在はラムドン省人民委員会の迎賓館として管理されているため、通常内部の見学はできません。

よって、政治や軍事の拠点となった「第1宮殿」と、皇帝一家が私生活を過ごしたサマーパレス「第3宮殿」を巡るのがお決まりの観光ルートとなります。

壮大な敷地と軍事要塞の歴史「第1宮殿」

ダラット市街地東部に位置する第1宮殿。フランス人富豪の別荘を1949年にバオダイ帝が買い取り、「ベトナム国」元首の執務所兼総司令部として改装した施設です。

ということで入場。入場チケットは90,000ドン。バイクでお越しの場合の駐輪料は5,000ドンです。苔むす石畳の並木道は木漏れ日の中を歩くだけで心地よい。

松林の奥にはマスタードイエローの洋館が見え隠れし、保養地らしいなんとも優雅な景観です。

並木道を抜けると、花壇の中央に宮廷礼服姿のバオダイ帝像。そして背後にはイエローの外壁が映える本館が佇んでいました。

館内に入る際は靴の上からシューズカバーを着用。早速格天井と深紅の絨毯が広がるメインホールが現れました。

1階には応接室や古い電話機のある執務室、歴代皇帝の写真が並ぶ展示室が連なります。

階段から2階へ上がると、そこは居住空間と政治の中枢。

内閣会議室の奥には、スーツ姿の若かりしバオダイ帝…の蝋人形。緊迫した空気感を演出していますよ。リラクシングルームには皇帝とナムフオン皇后の蝋人形が佇んでおり、有料で記念撮影が可能(50,000ドン)。

一部の部屋ではアナウンスも流れており、ベトナム語・英語・韓国語の3カ国語対応。日本人ももっと訪れよう…!

皇帝や皇后の寝室には当時の家具が残されています。また、後のゴ・ディン・ジエム大統領の時代には、寝室の本棚の裏に地下室やヘリポートへ繋がる秘密の脱出トンネルが掘られたとそうな(現在の見学は不可)。華やかな洋館が軍事要塞としての顔を持っていたという事実にどきどきしちゃいますね。

見学後は庭園のカフェでお茶もできます。ざっと見た感じ標準的な価格設定でした。

さて、広大な敷地内には様々な施設があり、休憩棟にはクレーンゲーム機まで。それはまあベトナムの観光地らしい気取らなさがあって良いのですが、案内板を見ると「ROYAL GAMEZONE」との記載が。「ロイヤル」付ければ良いってもんじゃなくない!?

アールデコ建築とリアルな暮らし「第3宮殿」

こちらは市街地中心部により近い第3宮殿。1938年に完成したこちらの建物、バオダイ帝一家が夏の避暑生活を送るために建てられたサマーパレスです。

入場料は60,000ドン、バイク駐輪料は3,000ドンと、第1宮殿よりもお手頃。松林に囲まれた坂道には観光用の馬車が停まっていました。

本館は第1宮殿と異なりアールデコ様式の近代建築。平屋根と水平ラインを強調した幾何学的なフォルム、黄土色の外壁タイル、半円形の車寄せなど、機能美が感じられます。

1階は宴会や歓談に用いられたパブリックフロア…なのですが、絶賛修復工事中。爆音の中見学します。

大広間にはヘリンボーンの床にオレンジのレトロなソファ。窓からはフランス式庭園のグリーンが見えます。

こちらは王族専用の応接室。庭園を望む出窓に沿ってローベンチが設えられ、白いアームチェアが丸テーブルを囲みます。

壁面には鹿の角や水牛の頭骨。バオダイ帝が狩猟で仕留めたものということで、趣味に興じる一人の人間としての姿が垣間見えます。

奥には金色の皇帝胸像が鎮座する大食堂や、家族用の小食堂も保存されています。

2階へ上がると、そこは皇帝一家のプライベート空間。バオダイ帝や皇太子バオ・ロンの部屋は皇帝の象徴色である黄色をベースに。

皇女たちの部屋は水色や紫色といった異なるテーマカラーで彩られています。

生活空間の奥、階段を上がった先の屋根裏のような空間に、黒漆と金箔彫刻で飾られた祖先祭壇がひっそりと設けられていました。近代西洋的なアールデコ洋館で暮らしつつも、根底にはベトナムの伝統と祖先崇拝が息づいていたことを物語ります。

まとめ&施設情報

ダラットのバオダイ第1&第3宮殿をご紹介しました。一見よく似ているようで、それぞれ性格が異なる2つの離宮。時間に余裕があれば両方を訪れて、皇帝の公と私の二面性を見比べてみては。

第1宮殿 (Dinh 1 Bảo Đại)

住   所 1 Trần Quang Diệu, Xuân Trường – Đà Lạt, Lâm Đồng
営 業 時 間 07:00〜17:30

第3宮殿 (Dinh 3 Bảo Đại)

住   所 1 Triệu Việt Vương, Xuân Trường – Đà Lạt, Lâm Đồng
営 業 時 間 07:00〜17:30

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