早いもので、今年も残すところあと1ヶ月。街中はすっかりクリスマスムードですが、常夏のホーチミン市ではなかなか実感が得られませんね。
さて、昨年の同時期に「2023年にベトナムで流行ったものを食べる」という記事を書きました。今年も同じネタをやろうと思ったのですが、今年は塩コーヒーや手打ちレモンティーほどブームになったものが無いのですよね…。せいぜい、石焼きソーセージくらいか。
ということで、今年は趣向を変えて「2024年、ホーチミン在住日本人の間で話題になった飲食店・3選」をお届けしようと思うよッ!なお、あくまで私が観測できた範囲でのブームのみのため、「〇〇が入ってねぇーじゃねえか!」という突っ込みはご勘弁ください。
日本食屋台ブームの兆し「Aoya Ramen」
ベトナム・ホーチミン市には日本人監修によるラーメン店が数多存在し、特に日本人街はラーメン激戦区の様相を呈しています。また、近年はベトナム人経営によるラーメン専門店の開業が相次ぎ、多少はベトナム人に向けたアレンジが多少はされているものの、本格ラーメンをお手頃価格で提供しています。
さらには最近、店舗を構えないラーメン屋台がブームの兆しを見せている模様。日本人経営の屋台もあればベトナム人経営の屋台もあります。また直近はラーメンのみならず、蕎麦や串焼きなどジャンルは多岐に渡り、日本の屋台ブームと言えるかも。
中でも話題となったのがこちら。ホーチミン市3区のラーメン屋台「Aoya Ramen(あおやラーメン)」です。埼玉・南浦和の串焼き屋「蒼屋」で飲食の修業を積んだというベトナム人店主が、2024年6月にオープンしたお店です。
火曜から日曜の夕方6時に開店するこちらの屋台。オープン時間に合わせて訪れたにも関わらず満席で、しばらく待つことに。
ステッカーが大量に貼られたカラフルな屋台は見ているだけで元気になれそう。ところで「違法ビジネス」ステッカーが気になるな…。
「ホッピー」の提灯をよく見ると、日本で一緒に働いていた同僚たちからの寄せ書きが…。店主さんのバックグラウンドは何も知らないけど、見ているだけで目頭が熱くなってきた。「また日本に来たら草津に温泉旅行に行こうね」…うんうん、行けると良いね…!
屋台ということで回転は早いです。すぐに通してもらえました。このとき、手荷物が多かったのですが「預かりましょうか?」とスタッフが声をかけてくれるなど気配りが嬉しい。
ラーメンは醤油と塩の2種類。今回は醤油ラーメンを注文しました。価格は100,000ドン。
なめらかでコシのある、中太ストレート麺。噛み応えのあるもっちり感がたまらない。
透明感がある美しい琥珀色のスープは、鶏ガラが効いたあっさりとしたもの。上品な薄味であり「なるほど、ベトナム人の好みに合わせてローカライズしているのだな」と当然のように納得しました。
…のですが。後から聞いた話、日本人の場合は味を濃くして提供しているそうです。店主さんは先述の通り日本で修業していたため、流暢な日本語をお話しになるそうなのですが、私の場合終始ベトナム語で接客されたため、徹頭徹尾ベトナム人だと思われていた可能性が巨粒子レベルで存在している…!?
ということで、再訪することがあれば今度は日本人っぽさ全開で行こうと思います。
牛丼チェーン3社揃い踏み「松屋」
2024年11月、ホーチミン市1区に牛丼チェーン「松屋」がベトナム1号店をグランドオープンしました。これをもって、ベトナムに日本の3大牛丼チェーン店である、すき家・吉野家・松屋の全てが出揃ったことになります。
1号店がオープンしたのは、ホーチミン市1区にある「mPlaza Saigon(Mプラザ・サイゴン)」内。「mPlaza Saigon」は、オフィス・商業施設・高級レジデンス・5つ星ホテル(JWマリオットホテル&スイーツサイゴン)から構成される複合施設です。
見覚えのある青と黄のカラーリングとロゴ。場所は1階、カフェチェーン「PHUC LONG」の隣ですね。
ベトナムにおける松屋のメニューはこちら。揚げ物など、日本の松屋には無い独自メニューにも注目!
「ネギたま牛めし(M)」75,000ドン。それに、味噌汁とサラダのセット(35,000ドン)を付けました。味は…2年以上日本の松屋に行っていないので、厳密に比較は出来ないのですが、記憶の中の松屋に近いと思いました。
なお、間髪入れずに2号店のオープンも予定されています。場所は、ビンタイン区・グエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 通り。
松屋の詳細は上記の記事でまとめております。
牛タンの大衆化を目指して「甲子園」
2024年8月、ホーチミン市3区・ホアンサ通りにオープンするやいなや、在住日本人の間に激震が走ったお店があります。それがこちらの「甲子園(Koshien Gyutan)」。
こちらのお店、店構えはローカル食堂そのものですが、その実、元・鮨職人の日本人店主が手掛ける(※スケッチ情報)牛タン専門店なのです。
まず驚くべきはその価格。牛タンの炭火焼きに、日本米のご飯、漬物、牛タンスープが付いたセットがたったの80,000ドンから。牛タンやご飯の追加も可能です。
注文すると、手早く牛タンを焼き上げてくれます。
Mサイズ・120,000ドン。脂でつやっつやに光る牛タンが艶めかしい…!
厚切りの牛タンは、乾燥熟成させることで柔らかく仕上げたというもの。確かに、歯でサクッと噛み切れる…!
以前、ローカルのBBQ屋で牛タンを食べたこともあったのですが、ベトナムの牛タン、ゴリッゴリに固くて日本で食べるものとは全く別物なのですよね…。
とは言え、日本で食べる牛タンとて国産では無く殆どが輸入品。適切に処理すれば、ベトナム産の牛タンであっても美味しく・柔らかく食べられるポテンシャルがあることが証明されましたね!
あと、この味噌が美味しい。自家製なのだろうか…?
ご飯は日本米で、ふわっふわです。ベトナム産の日本米も美味しいですよね。牛タン・味噌・漬物・スープと、いちいちご飯が進みすぎてしまうため、途中でご飯が無くなってしまうことが悩み。ご飯は10,000ドンでおかわりができます。
完食。「牛タンの大衆化を目指す」とのことで、この金額で美味しい牛タン定食が食べられることに感謝しなければなりません…。
店構えはローカル風だしメニューもベトナム語のみですが、客層はほぼ日本人。「あー、この人普段ローカル食堂とか行かなさそう…」みたいな日本人もちらほら。一方、店主さんはベトナム語も流暢にお話しになるので、日本食フリークのベトナム人にもおすすめしたいお店ですね。
まとめ&店舗情報
「2024年、ホーチミン在住日本人の間で話題になった飲食店・3選」をご紹介しました。「まだ行けてない!」という方にとっての参考情報となれば幸いです。
2025年は何がバズるだろうか…。とりあえず、サイゼリヤ・ロイヤルホストのベトナム進出が控えているようなので、まずはその辺りかな?楽しみ!