せんべろ超えの驚異!大阪B級グルメ天国へようこそ*豊@タインミータイ街区

日本料理

ホーチミン市第二の日本人街・ファンビッチャンエリア。市内のグルメ激戦区のひとつであり、ファンビッチャン (Phạm Viết Chánh) 通りだけに留まらず、周囲の通りも含めて新たな飲食店がどんどんオープンしています。

そんな飲食店がひしめき合うエリアで、「粉もんを筆頭とするB級グルメを驚異的な安さで提供している」とウワサのお店が。

本記事では、ファンビッチャンエリアの日本食レストラン「豊 (Nhà Hàng Yutaka – Osaka Street Foods)」をご紹介します。

Sponsored Link

「豊」の場所・外観

やって来たのは、ファンビッチャン通りから一本入ったグエンコンチュウ (Nguyễn Công Trứ) 通り。バイクが行き交い、ローカルの生活感が色濃く残る、まさにホーチミンらしい路地裏。

一方で日本食レストランも多く見られ、ファンビッチャンエリアが拡大していくのをひしひしと感じます。以前紹介した以下のお店も、こちらの通り沿い。

ずらりと並んだ真っ赤な提灯、暖簾、そしてベトナムのローカル屋台でおなじみのLEDサイン。一際異彩を放つ外観のこちらが「」です。「Fukumachi」のお隣ですね。もともとはスパだったようですが、現在も同じFacebookアカウントを利用しているようなので、オーナーが同じなのか、SNSアカウント込みでビジネスを買い受けたのか。

「日本の居酒屋」と「ベトナムの屋台」が融合したような外観。ファンビッチャンエリアの懐の深さを感じさせる。

「豊」の内装・雰囲気

客席は1階と2階に分かれています。1階は客席というより、お店の顔となるオープンキッチンがメイン。スタッフの皆さんがたこ焼きを焼いたり、鉄板で焼きそばを炒めたりと、忙しなく立ち働いています。

一応、ローカル食堂のようなプラ椅子&テーブルの座席や、カウンター席も備えています。

階段を上がると…。

白を基調とした壁に、温かみのあるウッド調の床、そして濃い色の木製テーブルと椅子が並ぶ、清潔感のあるフロアが広がっていました。当然エアコンも完備。

こちらの個室は最大8人までの収容。事前に予約して貸し切ってしまえば、気兼ねなくたこパを楽しめそうだ。

壁には、餃子や唐揚げを描いたアニメ風のイラストや、うどんやたこ焼きのレトロ調ポスターが飾られていますが…。

AI生成だコレ!?なんとも言えないカオスさを生み出しています。

各テーブルには、マヨネーズ、ソース、七味唐辛子などが入った調味料セットが常備。

「豊」のメニュー

「豊」のメニューを抜粋して紹介。

まず、看板メニューの粉もんたち。屋台と変わらないどころか、むしろそれ以上に手頃な価格設定。百の位を四捨五入しない価格表記は珍しい気もしますが、VAT(付加価値税)を考慮されてのことかしらね?

鉄板焼きメニューは他にも。焼き鳥まである!?日本食レストランでも中々お目にかかれないとん平焼きにも注目。

そしてアラカルトのメニューを見て思わず二度見。コロッケが1万ドンとな…?どうなっているのだ…。しっかり食べたい人向けの定食もあって、良い感じ。

ビールセットも充実。生ビール1杯、肉コロッケ1個、たこ焼き3個で86,400ドン。酒飲みの楽しみ方の中には、たった1000円でベロベロになるまで酔う、いわゆる「せんべろ」と呼ばれるものがあるわけですが、むしろ「500べろ」とでも言うべき価格設定だな…。

上述のよだれ鶏、エビチリなどに加えて、牛丼や親子丼、各種うどん…。B級グルメから居酒屋の定番まで、ありとあらゆるメニューが安価に揃っています。

「八宝菜」を「Eight Treasures Vegetables」と訳しちゃうお茶目心、だいすき。「ブリヂストン」みたいなもんですね(適当)。

冷奴やじゃがバター、枝豆といった居酒屋の定番おつまみも新登場しており、ますます「安く飲める店」として盤石の体制を築いています。

実食

それでは、初回の訪問で食べたメニューを一挙にご紹介。なお、上段で散々「せんべろ」だのなんだの言ってきましたが、今回は全員がソフトドリンクの健全な会でございます。

本日一番の衝撃、揚げたてで運ばれてきたのは「コロッケ(10,800ドン)」。赤字覚悟としか思えんぞ…。

衣はサクサク。中のじゃがいもは粗くマッシュされており、じゃがいも本来の食感も程よく残っています。強い甘みを感じたのですが、砂糖を入れてるのかな…?

なんと、「ポテトサラダ」をサービスでいただいてしまった…!クリーミーでなめらかな舌触りに、具材のシャキシャキ感が良いアクセント。ビールのアテに最適な、安心の日本のポテトサラダです。

25,000ドンのスピードメニュー、「キムチ」。ソース味が続くときの箸休めにどうぞ。

しゃぶしゃぶサラダ(70,200ドン)」。粉もんや揚げ物ばかりでは…という時のオアシス。ドレッシングはローカルでよく見かける、少し甘さがあるタイプのもの。豚肉はしゃぶしゃぶと言うには少々厚切り。

アルミホイル包みで登場、縁日の定番「じゃがバター(51,840ドン)」。この屋台感がたまらないわ〜(誰だよ)。

開けた瞬間に立ち上る湯気とバターの芳醇な香り。ホクホクのじゃがいもにバターがじゅわっと染み込んで、美味しくないわけがない最強の組み合わせ。それにしてもここまで芋食いすぎだな…じゃがいも嫌いな人なんて居ないからね、しょうがないね。

豚肉焼きそば(59,400ドン)」。これまた日本を代表するストリートフード。鉄板で炒めた香ばしい匂い、濃厚な甘辛いソースが中太麺によく絡みます。この値段で豚肉も野菜もちゃんと入っているのが嬉しすぎるわね…。

たこ焼き6個(43,200ドン)」。看板メニューは伊達じゃありません。ソース、マヨ、青のり、そして踊る鰹節…ビジュが良すぎる。

店頭での調理風景はこんな感じ。店名入りTシャツを着たスタッフが、手際よく調理を進めています。

あ、あ、ちょっと写真いいすか…(ニチャア)?​プロ用のたこ焼き用鉄板に生地を流し込み、具材を入れ、千枚通しを使ってひっくり返して…工程はリズミカルに進み、見ているだけでも食欲がそそられます。

ちゃんと紅生姜を入れてくれているのも嬉しい!

ベトナムでもたこ焼きはストリートフードの一つとして受容されていますが、基本的には多めの油で揚げ焼きしたものを作り置き、さらにそれを提供時に再加熱するため、食感は「ガリッガリ」。

しかしこちらのお店は作りたてということもあって表面はカリッと香ばしく、中はダシの効いた生地がとろっととろけ出す、見事な火入れ。中のタコもプリプリです。

価格は失念してしまったのですが、たこ焼きならぬ「えび焼き」を注文。すると、なんと店員さんがテーブルまでカセットコンロとたこ焼き器を持ってきて、目の前で焼いてくれました。

生地が注がれ、ジュージューと焼ける音、鮮やかなピック捌き。

「焼きたて0秒」で食べるえび焼きは…あぢい。しかし外はカリッ、中はトロトロ。タコとは違うエビのプリプリ感と甘みが広がります。目でも耳でも楽しめる、エンタメ性MAXの一皿でした。

あ、ちなみに自分たちで焼きたい場合、その旨を申し出ればセルフクッキングさせてもらえると思います。準備不要でたこパが出来るのもまた良いですな。

初回訪問から1ヶ月が経ったくらいのタイミングで、今度は一人でランチに再訪。

夜の「賑やかな居酒屋」という顔から、昼は「日当たりの良い、隠れ家的な食堂」という顔に。日中の「Yutaka」は周りの喧騒も少なく、落ち着いて一人のランチタイムを過ごすのに最適な空間なのだった。

そう言えば前回お好み焼きを注文しなかったな…と思い、「海鮮チーズお好み焼き(100,440ドン)」を注文。お昼からちょっと奮発して「海鮮チーズ」をチョイスしちゃった。慎ましやかに暮らす現採の密かな愉しみ。

濃厚なお好み焼きのお供に「味噌汁(25,000ドン)」。具材にはわかめやねぎに加え、しいたけが。なお、味はしいたけが8割を占めます。

お好み焼きですが、ソースはかかっていない状態で提供されるので、卓上のソースを好きなだけかけましょう。

生地はふわふわ。火を通しすぎないことで具材のキャベツのザクザク感が残っています。出汁がしっかり効いた、上品さも感じさせるお味。

時折イカやえびが顔を出し、加熱されたチーズがトロッととろけ出します。甘辛いソース、チーズの塩気とコク、マヨネーズの酸味…。背徳感たっぷりのご馳走お好み焼きに僕満足。

「豊」の店舗情報

お店の名前 豊 (Nhà Hàng Yutaka – Osaka Street Foods)
住   所 32 Nguyễn Công Trứ, Thạnh Mỹ Tây, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 11:00 〜 23:00
Instagram Facebook

インスタやってます