誇張無しに、星の数ほどのカフェが存在するホーチミン市。それぞれに独自のコンセプトや魅力がありますが、とりわけ最近ではヴィンテージな雰囲気を醸し出すレトロカフェを多く見かけます。
そして、今回ご紹介する一軒もそのうちのひとつ。足を踏み入れれば、秘密基地に迷い込んだかのような、居心地の良い空間が広がっています。
本記事では、タンディン地区に佇むカフェ「Thái Fiên by 15.22 café」をご紹介します。
「Thái Fiên by 15.22 café」3号店
観光客で賑わう中心地から少しだけ足を伸ばした旧1区のタンディン地区。タンディン教会（ピンクの教会）からもほど近い、地元の人々の活気が感じられるエリアです。
カフェが面するタックティータイン (Thạch Thị Thanh) 通りは、ひっきりなしにバイクが行き交うローカルな雰囲気。ミニストップの派手な黄色が目を引く。
温かみのあるオレンジ色の壁に、モダンなグレーの庇（ひさし）。そして、スタイリッシュな黒いフォントで描かれた「thái fiên」のサイン…こちらが「Thái Fiên by 15.22 café」。
もともとは「15/22 Nguyễn Thị Minh Khai」に位置する「15.22 café」が1号店で、その後「Thái Fiên」として系列店がオープンしました。こちらのThạch Thị Thanh店は、9月にオープンしたばかりの3号店です。
「Thái Fiên by 15.22 café」の内装
ドアを開けると、そこには外観から想像する以上に奥行きのある、 eclectic―様々な要素を折衷した空間が広がっていたのだった。コンクリートの無骨さと、木の温もり、そしてヴィンテージ家具が調和した内装…たまらん。
入り口すぐにあるのは、DJブースが設えられたカウンター。ここで流れる耳当たりの良い音楽が、カフェ全体の雰囲気を作り上げています。
ハンガーにかけられたファッション誌がずらりとディスプレイ。なんか前衛的！
少しだけ床が高くなったソファエリアを、上階から。ビビッドなオレンジを背景にするこの空間は、よりプライベート感があり、秘密基地のようでテンション上がる。色とりどりのブロックソファや、ヴィンテージ感あふれる柄物のソファに注目。
店内奥にある階段を上がると、そこは1階とはまた違った雰囲気を持つロフトスペース。…ちなみに階段はミシミシと軋んだ音を立てます。ちょっとドキドキ。
フローリングの床にはペルシャ絨毯が敷かれ、チェック柄の大きなソファや座り心地良さげなアームチェアが置かれています。
カフェというより友人宅のリビングのような、寛ぎの空間。
ロフトから賑わう1階を見下ろしながら、自分だけの時間に没頭するのも良さそう。より静かでプライベートな時間を過ごしたい貴方に、最適な場所です。
「Thái Fiên by 15.22 café」のメニュー
「Thái Fiên by 15.22 café」のメニューはこちら。ベトナムコーヒーの定番「Phin」はもちろん、「クリームチーズ」や「オートミルクチョコレート」といったユニークなアレンジを加えたものも充実。エスプレッソ系では、「エスプレッソトニック」のような爽やかなメニューも。
お店の名前を冠した「SIGNATURE 15.22 CAFE」のカテゴリーにも注目。ベイリーズ（アイリッシュクリームリキュール）やティラミスなどを使った、ここでしか味わえない独創的な一杯が楽しめます。
抹茶、コンブチャ、フルーツティー、ミルクティーと選択肢が豊富なので、コーヒーが苦手でも安心。フードはクロワッサンやデニッシュなどのペイストリーやスナック類が用意されています。
…どうやら、ペイストリーについてはこの中から注文するらしい。お惣菜を詰めるような使い捨てのプラ容器に入った、素朴で衒いのない（なさすぎる）ディスプレイである。
例によって抹茶ラテを飲んでみる
「Matcha Latte」75,000ドンと、「Apple Danish」34,000ドン。
注文に迷ったら抹茶ラテ。この価格なので、日本産抹茶を使用していることでしょう。抹茶としては苦味が強め。また、混ぜずに飲んだら少し粉っぽさが気になった。
バラの花のように美しい形をしたアップルデニッシュ。これに限らずペイストリーは小さめサイズなので、小腹満たしにちょうどよい。
中には甘酸っぱく煮詰められたリンゴのフィリングが隠れており、香ばしい生地との相性は良し。ビターな抹茶ラテが、結果としてデニッシュの甘さを程よく引き立ててくれました。
