【台湾】台南の夜の熱気を丸ごと味わう美食の劇場*沙卡里巴(サカリバ)@台南

台湾

台湾の古都・台南に来ています。台湾の京都とも称される台南は、数多くの歴史的建造物で知られています。美味しいグルメの宝庫であり、ハイレベルな食文化を持つ台湾ですから、やはり食事には期待してしまうところ。

今回取り上げるのは、一度訪れたら忘れられない強烈なインパクトと魅力を持つレストラン。レトロな雰囲気、絶品の台湾料理、台南の夜の熱気を丸ごと味わえる「沙卡里巴(サカリバ)」をご紹介します。

Sponsored Link

「沙卡里巴」の場所・外観

若者や観光客で賑わうトレンド発信地「海安路」からもほど近い府前路。突然、夜の街角で異彩を放つ圧巻のファサードが現れました。こちらが「沙卡里巴(サカリバ)」です。

時は日本統治時代の1930年代。台南にあった「西市場」の周辺に数多くの屋台が集まり、一大飲食エリアを形成しました。

その賑わいぶりから、自然と人々はこの場所を日本語で「盛り場(さかりば)」と呼ぶようになったそうです。その発音が、台湾の言葉で「沙卡里巴」という漢字で当て字され、地名のように定着しました。

そんな、かつて台南で最も賑わった食のエンターテイメントエリアの名称にインスパイアされたこのお店。歴史に思いを馳せながらお店の前に立つと、唯一無二の外観に圧倒されること間違いなし。

入り口は、どっしりとした太い木の柱と重厚な扉で構えられ、手書き風の店名看板や、入り口の脇に佇む、使い込まれて塗装が剥げかけた真っ赤な郵便ポストが目を引きます。これら一つ一つの要素が調和し、「沙卡里巴」という異空間への入り口を創り出しているわけですね。日本語でも「さかりば」の文字が掲げられています。

…いや、「さがリ|ず」だコレ!?

「沙卡里巴」の内装・雰囲気

重厚な木の扉を開け、目に飛び込んできたのは…1960年代から70年代にかけて好景気に沸いていた時代を想起させる、圧倒的な情報量と熱気に満ちた空間だった。

今や見られない手描きの映画看板や、往年の企業の広告看板、そしてレトロなタッチで描かれるショーガールや俳優の姿。在りし日の日劇ミュージックホールや浅草ロック座を思わせるようなおっぺえ丸出しっぷりだ…。

同行してくれた台湾人の友人曰く、彼の母親をここに連れてきた際、「子どもの頃に見た劇場と同じ」だと言っていたそうなので、かなりこだわって再現していることは間違いない。

あ、ちなみにお茶は無料。席に着くと、ピッチャーで提供されます。

「沙卡里巴」のメニュー

「沙卡里巴」のメニューはこちら。紙に数量を直接記入して店員に渡す、台湾ではよく見られる方式です。

圧倒的な品数は台湾式居酒屋「熱炒(ラーチャオ)」の真骨頂。中心となるのは「平價熱炒區(お手頃熱炒エリア)」で、空心菜などの野菜炒めから、台湾の家庭料理の定番「客家小炒(ハッカージャオシャオ)」、鶏肉とピーナッツのピリ辛炒め「宮保雞丁(ゴンバオジーディン)」まで並びます。

他には「海鮮區(海鮮エリア)」や、醤油・ごま油・米酒で甘辛く煮詰める台湾の人気調理法「三杯」の専門コーナー、「酥炸區(揚げ物エリア)」、「燒烤區(焼き物エリア)」、さらには複数人で囲みたい「火鍋・熱湯區(鍋・スープエリア)」まで、台湾グルメが網羅されています。ベジタリアン向けの「素食區」もあるよ。

実食。台湾熱炒に酔おう

まずは台湾の国民的ドリンク「蘋果西打(アップルサイダー)」 で乾杯。価格は1本50元です。缶で出てくると思ったので2本注文したのだが…このサイズなら1本で良かったな。

日本のものよりもしっかりとしたリンゴの風味と、強すぎない優しい炭酸が特徴。濃厚な味わいの料理たちの合間に飲むと、口の中がリフレッシュされ、食欲が湧きます。

素客家水蓮(水蓮菜のベジタリアン炒め)」110元。日本ではなかなかお目にかかれない水生野菜の「水連」をシンプルに炒めたものです。初めて食べるな…。

口に入れると、シャキッ!シャキッ!と、とにかくハリのある小気味よい食感が。レンコンのようでもあり、空心菜のようでもあり…唯一無二。ニンニクの香りが効いたシンプルな塩炒めが、水蓮の持つみずみずしさと食感を引き立てています。

金沙豆腐(揚げ豆腐の塩漬け卵黄ソースがけ)」180元

「金沙」とは塩漬けアヒルの卵の黄身のことで、これを細かく崩してソースにしています。衣をつけて揚げられたふわふわの卵豆腐に、この黄金色のソースがねっとりと絡んでいます。

口に入れた瞬間、卵黄の濃厚なコクと塩気、そして独特のザラっとした舌触りが一体となって押し寄せる感じ。ベトナムでも人気のある味付けなので私としては違和感ないのですが、馴染みがないと好き嫌い分かれるかも。

香腸炒飯(台湾ソーセージのチャーハン)」100元。やはりチャーハンは外せない。

「香腸(台湾ソーセージ)」は日本のソーセージとは違い、八角などのスパイスと砂糖で甘めに味付けされているのが特徴。その甘じょっぱいソーセージが、ご飯と卵、ネギと見事に融合。

ご飯はパラパラというよりはしっとりした仕上がりで、どこか懐かしさを感じる優しい味わい。さほど空腹でも無かったのに、不思議と食べ進められてしまう…。

鳳梨蝦球(エビとパイナップルのマヨネーズ和え)」250元。大ぶりでプリップリのエビをサクッと揚げ、甘めの特製マヨネーズソースで和えた、台湾では子供から大人までみんな大好きな一品です。結婚式などでも出されるような宴会料理の定番らしいですが、その歴史は案外浅いそう。

熱々のエビフリッターと、マヨネーズソースの酸味の組み合わせが絶妙。下に敷かれたカラフルなえびせんに乗せて食べると、サクサク、プリプリの食感のコントラストが楽しめます。

そして、ゴロっと入ったパイナップルはめちゃくちゃ甘い。私もコロナ禍くらいに日本でたまに食べてましたが、台湾のパイナップルはそれ単体でデザートになるくらいの甘さ&ジューシーさですね。

エビとチャーハンをドッキング。これは…天才的な発明をしてしまった。

「沙卡里巴」の店舗情報

台南の台湾式居酒屋「沙卡里巴」をご紹介しました。

昭和レトロな非日常空間が好きな人にはたまらないコンセプト。地元の人々の活気を感じながら、手頃な価格で本格的な台湾料理を心ゆくまで味わえる、観光客にもおすすめできるレストランでした。最高にエキサイティングな台南の夜が、あなたを待っているはず!

余談ですが、店内の男性トイレはまさかの壁ションスタイルでした。清潔に保たれているようだったのであくまでレトロ演出の一環だとは思いますが、男子諸君は面食らわないよう心の準備を。

お店の名前 沙卡里巴
住   所 臺南市中西區府前路二段213號
営 業 時 間 17:00 〜 25:00
Facebook

インスタやってます