ベトナム中南部に位置する沿岸都市「トゥイホア (Tuy Hòa)」を訪れています。ニャチャンとクイニョンの間に位置する街であり、ホーチミン市からは飛行機でわずか1時間あまりの距離。
さて、旅の醍醐味といえば、やっぱりローカルグルメ。トゥイホアの名物麺料理「Bánh canh hẹ(バインカインヘー)」を食べてきました。
スープの表面を大量のニラが覆い尽くすという、一度見たら忘れられないインパクト抜群の一杯。「Bánh canh hẹ」を出すお店は多くありますが、本記事では地元民・観光客双方からの評価が高い「Quán Tiên」をご紹介します。
「Quán Tiên」の場所・外観

お店があるのは、緑豊かな街路樹が並ぶチュオンチン (Trường Chinh) 通りに面した角地。ビーチからも徒歩圏内です。
…それにしても、土曜の昼間だというのに、車やバイクは殆ど走っていない上に外を歩いている人も居ない。暑いから皆室内に居るのだろうな…。

歩道にまではみ出すようにテーブルとプラスチックの低い椅子が並べられています。この開放感あふれるオープンエアのスタイルこそ、ローカル食堂の醍醐味ですわね。
「Quán Tiên」のメニュー

「Quán Tiên」のメニューはこちら。
主役は看板メニューの「BÁNH CANH HẸ」と、もう一つの魚介麺「BÚN CÁ」の2本柱。「Bánh canh(バインカイン)」がうどんのようなモチモチの太麺なのに対し、「Bún(ブン)」は素麺のような細い米麺ですね。
それにしても、驚くべきはその価格。どちらの麺も、基本の「揚げかまぼこ (Chả cá)」入りなら、なんと25,000ドン。「Hải sản(海鮮)」が50,000ドン、「Đặc biệt(スペシャル)」は55,000ドンということで、やはり地方は物価が安い…!
実食。海の幸がこの一杯に

せっかくなので、一番豪華な「Bánh canh hẹ đặc biệt」を注文。先述の通り、価格は55,000ドン。
スープの表面は鮮やかな緑色の刻みニラで完全に覆い尽くされ、トッピングのクラゲを除けば下の麺や具がほとんど見えません。まさにニラの絨毯。その一方で、意外にも青臭さは無かったのだが、日本のニラとは品種が違うのだろうか。

まずはレンゲでスープを一口。魚からとった出汁は透明感があり、すっきりとした優しい甘み。その繊細な魚介の旨味を、ニラの爽やかな風味がキリッと引き締めているカンジ。

麺は、バインカインにしては細め?ツルツルもちもちというよりは「もったり」とした食感のバインカインでした。

ベトナムのかまぼこ・チャーカー (Chả cá)。スープを吸ったかまぼこは、プリッとした歯ごたえと魚の旨味が絶妙。

魚(何の魚だろうか)の切り身もゴロゴロと。あっさりとしていて、身はホロホロと柔らか。スープの優しい味とよく合います。


エビとイカも入っています。エビは大ぶりで食べ応え抜群、イカもまたプリッップリでございますよ。これらが加わることで、一杯の満足感がぐっと増します。

卓上のライムをキュッと搾ると、柑橘の爽やかな酸味が加わり、スープの味が引き締まって、さらにさっぱりといただけます。

あとは、唐辛子の酢漬けを少し加えたり、小皿に調味料をミックスして、具材をディップして食べたりするのも乙なものですね。
いやはや、一杯で何度も味の変化を楽しめるのが、ベトナム麺料理の奥深いところ。トゥイホアを訪れたらマストトライですわよ。

ちなみに翌朝、店の前を通りかかったところ、大繁盛でございました。混雑を避けるのであれば、朝食どきよりも昼食の時間帯に訪れる方が良いかも?