台湾の古都・台南に来ています。
台湾といえば、美食の天国。特に、歴史ある街並みが美しい台南は「グルメの都」とも呼ばれ([誰によって?])、美味しいローカルフードやスイーツのお店がひしめき合っています([独自研究])。
それにしても、8月末から9月頭にかけての台湾は暑い!気温に関してはホーチミン市とそれほど変わらないのですが、とにかく湿度が高く汗が止まらない。
そんな暑さを忘れさせてくれるようなひんやりスイーツを探訪しました。本記事では「璞味綿綿冰(プーウェイミェンミェンビン)」の小北門店をご紹介します。
レトロなアイス屋さん「璞味綿綿冰」

北區育德路。歴史的な建造物も多い台南の街はどこを歩いても風情がありますが、このエリアも例外ではありません。中心部から少し離れた、地元の人々の生活が感じられる落ち着いた通りに、お店はあります。
お店の前にはスクーターがずらり。ベトナムでも見慣れた光景ですが、地元のお客さんに愛されている人気店の証ですね。

店内は古き良き台湾の世界。お店全体が「懷舊(懐旧)」、つまり「昔を懐かしむ」をテーマにしたレトロな空間で統一されています。
注文カウンターがある1階には、昔ながらの足踏みミシンをリメイクしたようなテーブルが。天板にはステンドグラス風のタイルが埋め込まれており、細部までこだわりが感じられる。

2階に上がり、座席で注文を決めることに。

壁はレンガ調のデザインで、壁一面には昔の台湾の路地裏や、タバコや駄菓子を売る「小賣部(雑貨店)」を描いた大きな壁画が。
「璞味綿綿冰」のメニュー

注文方法ですが、各テーブルに置かれたQRコードを自分のスマートフォンで読み込み、メニューを選びます。

注文を送信後、1階のカウンターで会計(先払い)をして、商品を受け取る…という流れ。


メニューの主役は看板商品の「綿綿冰(=綿あめ氷)」。シングル(30元)、ダブル(60元)、トリプル(75元)から選べます。驚くべきはそのフレーバーの豊富さ。ざっと見ただけでも30種類以上はありそう。


ミルク、イチゴ、マンゴーといった定番はもちろん、タロイモ、ピーナッツ、パッションフルーツ、スモークプラムといった台湾らしい味。さらには、仙人掌(サボテン)や金沙(塩漬け卵黄)、麻辣牛奶(スパイシーミルク)なんていう、味の想像がつかないものまで…。


他にも、季節限定の豪華なかき氷や、手作りのプリン、そして台湾スイーツの代表格・豆花(トウファ)など、魅力的なメニューが揃っていました。
一つの時代を思い出す、ピュアな味わい

私と友人でそれぞれ「綿綿冰三球(トリプル)」75元と、シェア用に「手工布丁(手作りプリン)」65元を注文しました。台湾の伝統的な花柄「客家花布」をモチーフにしたカラフルな器が可愛らしい。

スプーンが小さなスコップの形をしているのも遊び心がある。良いね…(しみじみ)。

さて、私が選んだのは、牛奶(ミルク)、花生(ピーナッツ)、芒果(マンゴー)の3種類。

食感はきめ細やかで滑らかな舌触り。綿のようにふわっとしており、口に入れた瞬間にすっと溶けていきます。濃厚さよりもさっぱりとした口当たりを重視したアイスであり、ジェラートやソルベのような仕上がりであることも特徴。イヤな甘さもなく、素材の味を活かしています。

牛奶(ミルク)は、濃厚なコクと優しい甘さが口に広がる王道の美味しさ。花生(ピーナッツ)は、焙煎されたピーナッツの香ばしい風味がガツンと来る、台湾スイーツ好きには外せない一品。芒果(マンゴー)も、果実を食べているかのようなフレッシュな甘みを感じられます。

友人が頼んだ芝麻(黒ごま)を一口もらいましたが、これまた絶品。黒ごまの香ばしさが際立つ、濃厚でビターな大人の味わいでした。

一緒に頼んだ手工布丁(手作りプリン)。ガラスの器に入った姿は、まさに昔ながらの喫茶店のプリンといったカンジで、テンション上がります。街なかでは、このような「日式布丁」を推すベーカリーも多く見かけました。

スプーンを入れるとしっかりとした弾力があり、食感はみっちりと滑らか。卵の風味が濃いプリンと、底にたっぷり敷かれたほろ苦いカラメルソースのバランスが絶妙。やはり固めプリンは最高や。固めプリン過激派の方はマストトライですぞ。

食べ終わったら、食器は返却しましょう。