ベトナム南東部、ラムドン省(旧ビントゥアン省)のファンティエット市から高速船で2時間半の距離にある離島「フークイ島 (Đảo Phú Quý)」。
この島の魅力は何といっても手付かずの自然と圧倒的な透明度を誇る海なワケですが、「食」に関してはどうでしょう。
離島ということもあり選択肢は限られるかもしれませんが、四方を海に囲まれた島ならではのシーフードや、島独自の文化が育んだ素朴な料理との出会いを期待したいところ。
今回は、私が実際に現地で足を運んだお店を6つご紹介。記事のトーンとしては、「絶対にここに行ってほしい!」というよりは備忘録的な感じなので、「こんな店があるんだな〜」くらいのノリで見てもらえると。
Bánh căn cô chín
ベトナム中南部を筆頭に人気の米粉パンケーキ「Bánh Căn(バインカン)」がフークイ島でも食べられます。

今回やってきたのは島北部にある「Bánh căn cô chín」。民家に赤い看板だけを掲げたその佇まいは、飾り気のない島の日常そのもの。お店の軒先には、炭火が燃える土鍋の焼き台が鎮座しています。

メニューはこちら。やっす…。そして意外にもしっかりしたメニューですね。AI生成?

注文したのは「Bánh căn mực(イカのバインカン)」。一皿25,000ドンという安さながら、一口サイズのバインカンが8個(確か)並び、全てに小イカが一匹ずつ丸ごと乗っています。これにトッピングとして「Xoài(青マンゴーの千切り)」と「Xíu mại(肉団子)」を追加しました。

食べ方は、ネギがたっぷり入ったヌクマム(魚醤)ベースのタレに、肉団子を崩し、青マンゴーを投入。そこに焼きたてのバインカンをどっぷりと浸します。
外はカリッ、中はモチッとした生地の食感に、イカのプリッとした弾力が重なり、青マンゴーの爽やかな酸味が全体をまとめ上げます。ブンタウ名物・バインコット (Bánh khọt) と似た見た目ですが、揚げてないのでペロリといただけます。
BBQ Bãi Cạn

島の東部、Nguyễn Thông通り沿いの海岸線に位置するシーフードレストラン「BBQ Bãi Cạn」。ちなみにお隣は水上レストランで、そちらも有名みたい(ホテルのスタッフにお願いすれば予約してくれると思います)。

お店の奥には壁も天井もない、究極のオープンエアな空間が広がっています。火山岩が剥き出しになった海岸線に、黄色いプラスチックの椅子とテーブルが並べられているだけ。

すぐそばで砕ける波の音と全身を包む強い潮風が、ここが離島の最前線だということを教えてくれます。


「BBQ Bãi Cạn」のメニューはこちら。ふむ、本土の海鮮レストランとはラインナップが異なりますね…。どこにでもある「Ốc móng tay(マテ貝)」や「Nghêu(二枚貝)」が無い代わりに、あまり見かけない貝がちらほら。

「Ốc Bàn Tay」のグリル、45,000ドン。直訳すると「手のひら貝」ですが、日本だと「スイジガイ(「水」の字に似てるから)」と呼ばれるそうです。殻から指のような突起が伸びた、なんとも奇妙なフォルム。

強烈な弾力があり、殻から引きずり出したあとはハサミでチョキチョキしていただきます。意外にもクセのないお味で、コリコリした食感も楽しい!肝の中は砂まみれなので食べないこと。

ピリ辛のサテで味付けされた「Bạch Tuộc Nướng(タコのグリル)」もうんまい!肉厚ながらも本土で食べたものよりプリップリで、噛み締めるたびに多幸感が広がります(タコだけにね!!)。

「Hàu Đá Nướng Phô Mai(岩ガキのチーズ焼き)」…なのですが、これ、ほんとに牡蠣か!?やたら歯応えがあって、味も私の知っている牡蠣では無いのだが…。
一応レシートを見る限り、オーダーは合っているはずなのだが。あと、チーズはローカルにありがちな甘ったるいやつなので、「Phô mai(チーズ)」ではなく「Mỡ hành(葱油)」を推奨。

日が落ちたあとの雰囲気もまた良し。マジックアワーに包まれながら貝と格闘する時間もまた贅沢かも?
Kem dừa Phú Quý

火照った身体をクールダウンさせるなら、夕方からオープンする「Kem dừa Phú Quý」へ。


ここの看板メニュー「Kem trái dừa(35,000ドン)」はココナッツの殻そのものを器にしたスタイル。見た目からして南国感満載。

殻の中には、ココナッツの果肉とクリーミーなココナッツアイスクリームが鎮座。仕上げに振りかけられたピーナッツのカリカリ感とアイスの優しい甘さがマッチ。

夕暮れのあと、涼しくなった風を感じながらいただく冷たいアイスクリームは、一日動き回った疲れを癒やしてくれることうけあい。
Bếp Nhỏ Phú Quý

島の南部を走るVõ Văn Kiệt通り沿いにある「Bếp Nhỏ Phú Quý」。営業時間は朝6時から11時までという、まさに朝食のための食堂です。

ここでいただいたのは、「BÚN THÁI HẢI SẢN PHÚ QUÝ ĐẶC BIỆT」。

その名の通り、フークイ島産の魚介をふんだんに使ったスペシャルなタイ風麺。ベトナムでよく見る「タイ風スープ」の例に漏れず、そこまでパンチの効いた辛さではないのでご安心を。程よくピリ辛で酸味のある、出汁の効いたスープです。

具材のラインナップは、弾力のある白身が特徴の「Filê cá bò(モンガラカワハギ)」や、コリコリした食感の「Hào điếu(パイプ状の貝。翻訳できない…)」、さらには自家製のさつま揚げや小イカ、海老まで入っており、49,000ドンとは思えないほど贅沢。

強いて言うなら衛生面はローカル基準なので(これまで挙げてきた店もそうだけど)…あまりそのあたりを気にしない人向け。
MÌ Mực Phú Quý


島東部のNguyễn Thông通りにある「MÌ Mực Phú Quý」。民家の一部を店舗にしたような佇まいの食堂です。入り口に並ぶひまわりの花が優しい気持ちにさせてくれますね。誰のために咲いたの〜それはあなたのためよ〜…(病み中)

ここでの主役はもちろんイカ。

注文した「MÌ MỤC ĐẶC BIỆT(スペシャルイカ麺)」には、獲れたてで透明感すら感じるような新鮮なイカが、丸ごとゴロゴロと入っています。その数なんと5杯。

一口食べれば、その弾力と甘みに驚かされるはず。合わせるのは、ベトナムではお馴染みのインスタント麺。少しジャンクな麺の食感がここでは、贅沢な具材の引き立て役となっております。

飾り気は無くとも素材の力で勝負している…そんな島のプライドを感じさせてくれましたよ。50,000ドンで味わえるとは思えない、この上ない贅沢です。
Sea La Vie

Lê Hồng Phong通り、島のほぼ最北端にある「Sea La Vie」。これまでのローカルな雰囲気とは一転、洗練されたカフェ&レストランです。Googleマップの口コミも1000件を超えており、島内の飲食店では随一ではなかろうか。


白い木目を基調とした、ラスティックながらもモダンな内装。そしてなんと言っても海に面したテラス席。訪れる客もまるでパーティのように着飾っており、果たして君たちは食事に来ているのか撮影のために来ているのか!?




メニューはこちら。あら…少々(どころではなく)お高いわ?島では貴重な洋食を出すお店ですが、いくらなんでもロブスターのパスタが90万ドン(≒5,000円)って何事!?

そんなあなたに朝食メニュー。比較的安価にこちらのロケーションを楽しむことができます。いただいた「Cơm tấm(コムタム)」は80,000ドンと、一般的な食堂の倍くらいの価格ですが、ショバ代を加味したとしてもそのクオリティには満足。

甘辛いタレで香ばしく焼き上げられた豚肉、パラパラとした食感の砕き米、そしてカリッカリの目玉焼き。プレゼンテーションは美しく、味付けも都会的で洗練されています。

一緒に無糖のオレンジジュース(65,000ドン)を注文。身体に染み渡る〜。自分を労わるような朝食の時間は、フークイ島での思い出をより一層深めてくれること間違いなしです。

