ベトナムにおける日本食というのはもはや一過性のブームを越え、すっかり外食の定番になったように思われます。しかし、大多数の人々にとって日本食は普段使いの食事というより「たまの贅沢」という立ち位置なのかな、という印象(あくまで外国人視点での感覚)です。
そんな中で、ローカル食堂とそう変わらない驚きの安さで日本食を提供する店を発見。Googleの口コミも1000件超と中々の盛況ぶり。気になったので行ってみました。
5区のローカル日本食店「OSAKA Tonkotsu Ramen」
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やって来たのはホーチミン市5区のグエントイチュン (Nguyễn Thời Trung) 通り。チャンフンダオ (Trần Hưng Đạo) 通りとヴォヴァンキエット (Võ Văn Kiệt) 通りを結ぶ、小さな路地です。
![ホーチミン市5区の格安日本食店](https://nishivietnam.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_20240405_175301-768x1024.jpg)
狭い通りの中に色々と店がありバイクの駐輪が目立ちますが、一際賑わっているのがこちらの日本食店「OSAKA」(Facebook上では「OSAKA Tonkotsu Ramen」)。また大阪や…(インターネット老人会)
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こちらだけでなく、通りを挟んだ向かい側の建物にも客席を設けており、そちらに案内されました。提灯と桜が慎ましく日本らしさを演出していますが、それが無ければ普通にベトナムローカル食堂です。
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卓上の調味料も、日本料理屋っぽくはない。
「OSAKA」のメニューに大興奮(色んな意味で)
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メニューの表紙では「日本料理の真髄」を謳います。
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1ページ目。カレーうどんやカレーライスが中心。もう、既に見慣れた日本食の姿ではなく、興奮してきました。(異常性癖)
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2~3ページ目。ラーメン・ハンバーグ・牛うどん・つけ麺。
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ラーメン…というか、焼きそばだな?
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4~5ページ目。丼…とかが中心かな?
実食。激安メニューの実力は?
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Com Curry Tonkatsu(カツカレー)を注文しました。注文して僅か3分程度で提供という爆速っぷりで、金額は驚きの50,000ドン。ホーチミン中心部のローカル食堂と遜色ない価格帯で日本食が食べられるとは…
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ちなみにカツはペラッペラです。豚ロースの薄切りに衣をつけて揚げた感じ?
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ではいただきます。
え、辛っ!
意外にもスパイシーなカレーで驚いてしまいました。味は…馴染みのある日本のカレーの味ではないですが、価格を考えると頑張って再現していると思います。
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カレーの具に噛み切れない何かが入っていて「何ぞ?」と思ったのですが、砕いたローリエですかね。まあ、飲み込んでも害は無いのでヨシ!
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ライスは味付き。カレーピラフみたいな味で美味しい。米も、この安さだとベトナム米なのかなーと思ってたけど、ちゃんとジャポニカ米です。ちょっとぼそぼそしてるけど、カレールーと一緒に食べれば気にならない。
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ごちそうさまでした。
「なんちゃって」には理由がある
日本人的には色々と突っ込みたくなるかもですが、この金額なので何も言うことは無いよ!
ここで思い出したのは、日本食店を営む、知り合いの日越カップル。時折経営方針で揉めることがある、と話していました。
彼氏さん(日本人)は「価格を上げてでも、本物志向の日本食を提供したい」、彼女さん(ベトナム人)は「これ以上価格を上げたら誰も来なくなる。上手く代替品を使って、手の届く価格帯にすることで多くのベトナム人に日本食を食べてもらいたい」という意見の相違。
どちらの意見も理解できるのですが、この「OSAKA」くらいの金額感でなければ、多くの人にとっては普段使いできないことも事実。「なんちゃって日本食」と揶揄するのは簡単ですが、手の届きやすい形にローカライズされ、ベトナムの人たちにとって日本食に親しむ入り口になるのならそれもいいのかもしれない。