カフェ激戦区のホーチミン市において、おしゃれな若者や感度の高い観光客から熱い視線を集めているスペシャルティコーヒーショップ「OKKIO Caffe」。
市内中心部にいくつかの店舗を構える人気ブランドですが、今回ご紹介するのは、その中でもとりわけユニークで、芸術的なロケーションにある店舗。
本記事では、ホーチミン市美術館の敷地内に新たにオープンしたカフェ「OKKIO Caffe – Bảo Tàng Mỹ Thuật」をご紹介します。
歴史あるコロニアル建築の美術館と、現代的なコーヒーカルチャーが交差する場所―そんな特別な空間で過ごした朝のひとときをレポートしていくわよッ!
「OKKIO Caffe – Bảo Tàng Mỹ Thuật」の場所

やって来ました、サイゴン街区(旧1区)・フォードゥックチン (Phó Đức Chính) 通り。ホーチミン市観光の中心地であるベンタイン市場や、ホーチミンメトロ・ベンタイン駅からも徒歩圏内です。

この辺りは、金融街がある一方で古い商店、そして行き交うバイクの波がいかにもホーチミン市らしい活気に満ちたエリア。そんな中に現れるのがこちらの「ホーチミン市美術館」。フランス人により設計された、築80年をも超す優美なイエローのコロニアル建築が特徴です。

そして、その中庭エリアに確かな存在感を放って佇んでいるのが、今回のお目当てであるOKKIO Caffe。朝8時に来たのに、既に賑わっている…!
美術館が歴史を感じさせる黄色であるのに対し、OKKIO Caffeは深みのある鮮やかなテラコッタ・レッドを基調としています。この黄色と赤のコントラストが不思議と調和しており、まるでカフェそのものがインスタレーションかのよう!

壁面は波打つようなウェーブガラスが用いられ、このガラスが周囲の緑や空の光を柔らかく反射し、レトロフューチャーな雰囲気を醸し出しています。お店の周りには広々としたテラス席も用意されており、建築美を眺めながら、テラスで風に吹かれてコーヒーを楽しむのも最高に贅沢な時間になりそう。
「OKKIO Caffe – Bảo Tàng Mỹ Thuật」の内装

外観の情熱的な赤とは対照的に、内装は落ち着いた色調。

キーカラーとなっているのは、深くシックなディープグリーンやティールブルー。壁面やクラシックなデザインの木製チェアに使われたこの色が、空間全体に静寂と落ち着きを与えています。

全体的にどこか懐かしさを覚えつつも、ステンレス製のバーカウンターがイマドキなアクセントとなり、洗練されたレトロモダンを実現しています。

店内に大胆に取り込まれた自然もポイント。建物を貫くように、既存の大きな樹木がそのまま残されているのであった。太い幹が天井を突き抜けていく様は圧巻。

コーヒーへのこだわりを視覚的に伝えるセンサリー・バーのようなディスプレイも印象的です。壁面の棚にはコーヒーのアロマを体験できる器具が並び、なんだかアカデミックな雰囲気。

店内中央には、オリジナルのコーヒー豆やドリップバッグが並ぶ物販コーナー。

チェス盤に大人の遊び心も感じられる。
「OKKIO Caffe」のメニュー


「OKKIO Caffe」のメニューはこちら。
ドリンクは大きく分けて2つの柱。ひとつは、イタリアンスタイルの「Espresso Bar」。ラテやカプチーノといった定番に加え、ローズレモネードとエスプレッソを合わせた「Espresso Tonic」のようなアレンジメニューもあります。
もうひとつは、ベトナムならではの「Vietnamese Coffee」。こちらには「100% FINE ROBUSTA」を謳うロブスタ種の豆が使用されており、ドリップコーヒーや、観光客にも人気のエッグコーヒー、ココナッツコーヒーなどが楽しめます。
その他にも、暑い日に嬉しいコールドブリューや、ライチを使った自家製コンブチャ、ハイビスカスティーなど、リフレッシュに最適なドリンクも揃っていますね。

また、レジ横のショーケースには、ペイストリー類が並んでいます。バターの香りが漂ってきそうなクロワッサンや、アイシングのかかったシナモンロール、厚切りのバナナブレッド…。人気カフェなだけあって、「とりあえず置いているだけ」ではなく、一品一品に気合が入っていることが伝わる見た目。食欲がそそられる〜。
あとは、サーモンクリームチーズやパルマハムを挟んだ食事系のベーグルサンドも用意されており、朝食やランチとしてもしっかり利用できそうです。朝7時半から13時まではお得なコンボメニューもあり。
実食

「Cà Phê Sữa(練乳入りアイスコーヒー)」55,000ドンと、「Almond Croissant(アーモンドクロワッサン)」60,000ドンを注文。

カフェスアは甘さ控えめで注文。底には白い練乳の層、その上には漆黒に近いダークブラウンのコーヒー、トップには黄金色のきめ細かいクレマが。

よく混ぜてからひと口飲むと…ベトナム産ファインロブスタ特有の、ガツンとした力強い苦味がダイレクトにやって来た。しかし嫌な雑味は無く、ナッツやカカオのような香ばしいコクがあり、そこに練乳のまろやかな甘みが重なります。濃厚ながらも後味はキレ良し。

スライスアーモンドがたっぷりとトッピングされたクロワッサン。ナイフを入れるとサクッというフィードバックがあり、食べる前から生地の質の良さが伝わってきます。やはりクロワッサンはパリパリに限る。

香ばしいバターの香りが鼻を抜けていくのはもちろん、層の間にリッチなダマンドが染み込んでおり、しっとりとしていてじゅわっと甘みが広がる。これは良いものだ…。


そして朝9時…はい、ほぼ満席でございます。いや、早スギィ!場所柄か、外国人客も多く訪れていました。

唯一残念だったのは、天井のエアコンから水が滴り落ちていたことかな…。オープン間もない店だと思うのだが、大丈夫だろうか。
「OKKIO Caffe – Bảo Tàng Mỹ Thuật」の店舗情報

ホーチミン市美術館という特別なロケーションにある「OKKIO Caffe – Bảo Tàng Mỹ Thuật」。建築、デザイン、そしてコーヒーという異なる要素が融合したステキ空間でしたね。
歴史ある美術館でアートに触れた後、その余韻を深めてくれそうなカフェ。もちろん、美術館に入館せずにカフェだけの利用も可能。観光の合間に極上のコーヒータイムを過ごしてみては?


また、ハンドクラフトの雑貨屋さんも併設されています。お土産探しにどうぞ。


