本の森に、心を浸す。人気すぎてもはや隠れていない路地裏カフェ*ngâm CAFE@3区

カフェ

重厚なインダストリアルスタイルの内装に、2階建ての天井にまで届く巨大な本棚…。そのあまりにも個性的な空間デザインで大人気のカフェ「ngâm CAFE(ンガム・カフェ)」をご存知でしょうか。

一歩足を踏み入れると、そこはまるで別世界。壁一面を埋め尽くす本、温かみのあるアンティークな家具。本好きはもちろん、非日常空間に浸ってリフレッシュしたいと願うすべての人々を優しく迎え入れてくれる、秘密基地のような空間です。

…あれ?以前にも同じようなコンセプトのカフェを紹介したような。

本記事では、ホーチミン市3区の24時間営業カフェ「ngâm CAFE」をご紹介します。

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「ngâm CAFE」の場所

ホーチミン市3区・ナムキーコイギア (Nam Kỳ Khởi Nghĩa)  通りへとやって来ました。

ホーチミン市の1区と3区を貫く主要な通りの一つであり、交通量の多い賑やかな通り。特にこの辺りは、近代的なビルが立ち並ぶ都会的な景観が特徴です。

そんな賑やかな大通りから一本入ったこちらのヘム(路地裏)に、「ngâm CAFE」は位置します。

偶然通りかかって見つけるというよりは、「知る人ぞ知る」特別な場所としての期待感を高めてくれる、そんな隠れ家的立地です。

きっと、派手な看板やネオンはなく、ひっそりと掲げられた店名や、古民家をリノベーションしたような趣のある扉が目印なのだろうな…。

前言撤回。全く隠れていません。

「ngâm CAFE」の雰囲気

まず広がるのは、テラス席と壁一面を覆う巨大な本棚。天井に届くほどの高さまでびっしりと本が並べられており、まるで図書館や書斎のようなアカデミックな雰囲気を醸し出しています。

ベトナム本土に「ホアンサ諸島(西沙諸島/パラセル諸島)」と「チュオンサ諸島(南沙諸島/スプラトリー諸島)」を加えた地図も掲げられており、コンセプトにベトナムのアイデンティティや愛国的な要素を取り入れていることが伺えます。

さて、過去記事を読んでいただいた方はお分かりの通り、こちらの「ngâm CAFE」、以前紹介した「Nhâm Cafe」とデザインコンセプトがクリソツ…というか完全に一致しています。店名も1文字違いだし、オーナーは共通しているのか?だとしたら、店名を変える意味が分からんな…。

店内に足を踏み入れると…金魚が優雅に泳ぐ巨大な水槽がお出迎え。店内に水の揺らぎと生命の輝きを与え、どこか幻想的な雰囲気を添えてくれる存在です。

そして、大人気写真撮影スポットでもある。順番待ちは必須。

空間を支える太い柱は、コンクリートの打ちっぱなしのような、少し荒削りな質感を残しつつも、温かみのある照明に照らされて、不思議と落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

ところどころに見られる、使い込まれたような木の風合いや、少し色褪せた壁紙も、このカフェが持つ時間の流れを感じさせます。

先述の「Nhâm Cafe」同様、注文カウンターの隣には、ずらりとペイストリーが並びます。混雑しているカフェであるにも関わらず、カバー等で覆わず外気に晒して陳列しているのはどうかと思うが…。

階段を上がると、2階にはまた少し異なる趣の空間が広がっています。

1階と同様に本棚は健在ですが、こちらでは壁面にレコードジャケットがディスプレイされていたり、レコードプレーヤーが置かれていたりと、音楽の要素が色濃く感じられます。

実際にBGMとして、アナログレコードの音色が流れています。

さらに2階で目を引くのは、壁一面に整然と展示されたアンティークミシンのコレクション。ライトアップされた棚に一つ一つ飾られたミシンたちは、インダストリアル感を演出しつつも、まるで小さな博物館のよう。

「ngâm CAFE」のロゴサインが掲げられた奥のゾーンは、本の壁に囲まれた客席エリア。少し照度を落とした、よりパーソナルで落ち着いた空間が演出されています。まあ、混雑時は騒々しいことに変わりは無いのですが。

それにしても、写真撮影に興じる人々の多さよ。まるでこのカフェ全体が巨大なフォトスタジオのようだ。ドリンク代を払うだけでこの非日常空間を背景に写真を撮れるなら安いもの?

ちなみに、冒頭にさらっと書きましたが、こちらなんと24時間営業。ランニングコストも馬鹿にならないだろうに、それを上回るほどに客入りが良いのだろうか…まあ、良いだろうな(周囲を見渡しながら)。

「ngâm CAFE」のドリンクとペイストリー

えー、すみません、私ともあろうことか、ドリンクメニューの写真を撮り忘れてしまいました。ただ、内容は先述の「Nhâm Cafe」とそっくりでした。強いて言うなら、価格はこちらの「ngâm CAFE」の方が少し高い。

で、私が注文した「Trà vải thạch vải(ライチティー)」55,000ドンと、「Pain aux raisins(パン・オ・レザン)」35,000ドン。ペイストリー類はリベイクした上で提供してくれます。

ライチティーは…甘い。昨今は甘さ控えめが持て囃されていますが、割とプリミティブな感じの甘さ。

でも、どこか嫌いになれないところもあって、それはトッピングのライムのキリッとした酸味が爽やかに駆け抜け、後味をすっきりとまとめてくれていたからかもしれない。ローズマリーの存在も、ライチの甘さを引き立て、一杯のドリンクに以外な奥行きを与えてくれていました。

パン・オ・レザンにフォークを入れると、キャラメライズされた表面の生地から微かなフィードバックが。内側はしっとりとしており、たっぷり練り込まれたチョコクリームも相まって、良い意味で「菓子パン」感が。時折顔を覗かせるレーズンの酸味も良いアクセント。チープではあるのですが、35,000ドンでこれなら、私としてはアリです。

「ngâm CAFE」の店舗情報

ホーチミン市3区の24時間営業カフェ「ngâm CAFE」をご紹介しました。

夜遅くまで多くの若者で賑わう、活気溢れるカフェでした。大通りから外れた路地裏というロケーションから、静寂を楽しむ隠れ家のような空間を想像していましたが、全く隠れてもいなければ静かでもありませんでしたね。

ngâm」という言葉には、ベトナム語で「浸る」「夢中になる」といった意味合いがあるそうです。このようなデザインコンセプトのカフェは日本ではなかなか見られないもの。興味を持たれた方は是非訪れてみて、この世界観と異様なまでの活気に浸ってみてくだされ。

お店の名前 ngâm CAFE
住   所 193/19 Đ. Nam Kỳ Khởi Nghĩa, Phường Võ Thị Sáu, Quận 3, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 24時間
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