童話の世界に迷い込んだような、緑溢れるダラット風カフェ*Cú Trên Cây Coffee*ビンタイン区

カフェ

ベトナム中南部の高原地帯「ダラット」。自然豊かな避暑地として、バカンス先としても名高い観光地であり、ベトナムにおいては一種のブランドイメージを形成しています。日本人が「北海道」とか「沖縄」と聞いて魅力的に感じるのと同じようなものですね。

そんなダラットの雰囲気を想起させるようなカフェが、ここホーチミン市では大人気。店内は多くの木々や花々、ヴィンテージ感のあるインテリアで彩られ、都会の生活に疲れたサイゴンっ子の心を癒しています。

また、ロマンチックでフォトジェニックな内装も特徴。ベトナム語には「Sống ảo(=仮想生活)」という言葉があり、日本で言うところの「インスタ映え」みたいな意味なのですが、ダラットの雰囲気を感じさせる写真映えスポットはまさにSNSでのシェアにうってつけ。多くの人を惹きつけています。

本記事では、ホーチミン市ビンタイン区のカフェ「Cú Trên Cây Coffee」をご紹介します。敷地を潤沢に使った、ダイナミックな内装に注目!

Sponsored Link

「Cú Trên Cây Coffee」の場所・外観

ビンタイン区、ウンヴァンキエム (Ung Văn Khiêm) 通りへとやって来ました。眼前に聳えるのは「ランドマーク81」。

ちょうど、ホーチミンメトロ1号線・タンカン (Tân Cảng) から徒歩10分ほどの距離です。メトロ駅から歩いて訪れることも可能ですが、交通量が多い割に歩道らしい歩道がない道なので、通行には十分お気をつけください。

殺風景な通りに突然現れたのは…。えっ、ここだけ時空が歪んで山奥と繋がっちゃったカンジ?

そんなインパクト抜群のこちらのカフェが、今回訪れる「Cú Trên Cây Coffee」。緑豊かすぎて看板まで隠れてますがな。

「Cú Trên Cây Coffee」の店内・雰囲気

店内に足を踏み入れると、沢山のプランターがお出迎え。聞いたところによると、これらは全て購入可能であるそうです。

敷地の中も、木々やアンティーク感溢れるインテリアで溢れています。まるで童話のように、小さな森の奥深くにでも迷い込んだかのような、メルヘンな世界観。ベトナム最高層タワーのお膝元とは思えない、非日常がそこには広がっていました。

まだ入り口付近しか見ていませんが、世界観の作り込みがものすごいことは既に分かります。一步誤ればごちゃごちゃと散らかった雑然とした空間になりかねないのに、絶妙なバランス感覚を以てインテリアが配置されている。

店名にある「Cú Trên Cây」は「木の上のフクロウ」の意。ということで、こちらのフクロウくんがお店のマスコットキャラクター。

注文はこちらの建物の中で行います。日中でもあまり日が当たらない代わりに、暖色系の光が優しく照らす癒し空間。

カウンターの中にも木が聳えていました。インパクト大。

なお、こちらの室内の客席数は多くありません。店の奥に行けばほかにもエアコンの効いた屋内の客席があります。

注文を終えてふと仰ぎ見ると…ルーフトップ席がある。

緑の屋根と扇風機のおかげで、それなりに涼しいです。さすがに昼下がりなんかは暑いと思いますが。ヴィンテージ感漂うランプ型のライトがあちこちに配置されており、夕暮れ時や夜はもっとロマンチックな雰囲気になりそう。

この手の光景や雰囲気に対して一番言っちゃいけないこと言っていいですか。「ジブリみたい」。

…すみません、私のボキャブラリーがもう底をついてしまいました。それにしても、なぜ私たちは、昭和中期~後期の田舎のような緑豊かな情景を見るやいなや「ジブリみたい」と口にしてしまうのだろうか。

「Cú Trên Cây Coffee」のメニュー

「Cú Trên Cây Coffee」のメニューはこちら。ドリンクの他、ペイストリー、さらにはちょっとした食事も扱います。

ベトナムにおけるカフェの経営、当たればマヂで儲かるらしいですが、これほどまでに凝ったお店を作った上で集客しようと思ったら、どれ程の資金と労力が必要なのやら。それを踏まえると、この価格帯はむしろ安いくらいだな…。

店内奥の「クワイエットゾーン」

さて、客席スペースはこれでおしまいかと思いきや、さらに奥へと続く小路を発見しました。冒険心を擽る、迷路のような構造となっています。

開けた場所に出ました。こちらにも客席がある他、エアコンの効いた屋内席も用意されています。

こちらの屋内席は「Quiet Zone」と銘打たれ、「グループで利用するなら2-3人にしてね」「五月蝿くせんでね」などのお約束事項があります。まあ、皆普通にお喋りしておりあまりルールは守られてなかったのですが

この、壁の中身が露出したかのようなデザインが良いですよね。どこか儚く、朽ちていくような退廃美を感じます。

古紙と乾草を組み合わせたかのようなランプシェード、店内のあちこちで見かけたのですが、一体何の素材で出来ているんだろうか。

なお、こちらの上階にも座席があります。この店、どれだけ客席スペースが張り巡らされているんだ…。階段は手作り感溢れるものなので、足元に注意。

上階には、エアコンの効いた、屋内座敷席がありました。秘密基地感があり、子どもだったら絶対喜ぶやつ。ここまで辿り着くのが大変ということもあり、先客は居ませんでした。

ドリンクとペイストリーを実食

私が注文したのは、「Sữa tươi matcha đá(アイス抹茶ラテ)」60,000ドンと、「Croissant kem trứng(クロワッサンのエッグクリーム添え)」40,000ドン

抹茶ラテは…あっっまい。抹茶部分は加糖されていないのですが、ミルクがめちゃくちゃ甘いです。最近はどのカフェに行っても甘さ控え目の傾向にあるので油断していた。微糖がお好きな方は、注文時にその旨を伝えましょう。

クロワッサンは、表面パリパリ・中はしっとりもちもちとしたテクスチャ。クロワッサンならば中もパリパリしているべき…という意見もあるかもしれませんが、私はしっとり系も好き。

添えられているのは、クレームブリュレのような見た目の、焦がしエッグクリーム。エッグコーヒーにトッピングされているものですね。甘さはほんのり感じる程度で、どちらかというとバターのようにリッチさを楽しむものなのかな。

そして例によって、来店(朝8時半)から数時間後には、ほとんど満席に…。ダラット風カフェの人気を実感しました。みんな、涼しい気候や自然豊かな風景に飢えているのかなあ。

なお、こちらのお店のオーナーは実際にダラットでホームステイを経営しているそう。内装ヘの拘りも納得!

「Cú Trên Cây Coffee」の店舗情報

お店の名前 Cú Trên Cây Coffee
住   所 262 Ung Văn Khiêm, Phường 25, Bình Thạnh, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 07:30 〜 23:00
公式サイト Facebook Instagram