ベトナム南部に位置し、16の島々からなるコンダオ諸島。かつては流刑の地とされ「地獄の島」と呼ばれた歴史を持ちながら、現在は最後の楽園と称されるほどに美しい海と豊かな自然が残る場所です。
今回は、その主島であるコンソン島 (Đảo Côn Sơn) を訪れました。
ベトナム南部の離島で有名なのがフーコック島。あちらはどんどん華やかなリゾート地へと進化していますが、観光客の集中による環境への負荷やサービス品質の低下が危惧されています。
コンダオは過度な開発が制限されている関係上、どこか静謐で背筋が伸びるような独特の空気感があります。ビーチはもちろん、歴史的な深みや野生動物との出会いなど、他の島にはない魅力がありますよ。
本記事では、そんなコンダオの概要・アクセス方法・楽しみ方をご紹介します。
「コンダオ諸島 (Côn Đảo)」の概要
コンダオ諸島は「ホーチミン市コンダオ特区」に属する、16の島々からなる群島です。かつてはバリア=ブンタウ省に属していましたが、2025年7月の行政区画再編により住所の上ではホーチミン市内となりました。正直、違和感がすごい。

諸島の総面積は約75平方キロメートルで、その中心となるのが最大の島「コンソン島 (Đảo Côn Sơn)」。島々の大部分と周辺海域は「コンダオ国立公園」に指定されており、厳格な自然保護が行われています。

コンダオの歴史を語る上で、監獄の存在は避けて通れません。1862年、フランス植民地政府によって刑務所が建設されて以来、1975年のベトナム戦争終結までの約110年間、この島は政治犯や独立運動家を収容する「地球上の地獄」として恐れられてきたのです。

特に、狭い檻に囚人を閉じ込める「タイガーケージ(虎の檻)」は、当時の過酷な弾圧を象徴する遺構として、現在も負の歴史を伝える重要な史跡(国家特別遺跡)となっています。

また、コンダオは生物多様性の宝庫でもあります。特に有名なのがアオウミガメで、ベトナム最大の産卵地として知られています。5月から9月にかけてのシーズンには、産卵や孵化したばかりの子亀を放流する様子を観察することができるそうな。
島全体の人口は約10,000人程度。近年は観光インフラの整備が進み、サービス業に従事する人々が増えている模様。

気候は、ホーチミン市中心部と同じく、11月〜5月頃が乾季で、6月〜10月頃が雨季。私の訪れた12月末は風が強かった&曇り気味だった(雨は降りませんでした)のですが、その分涼しく過ごしやすかったです。
「コンダオ諸島 (Côn Đảo)」へのアクセス
コンダオへのアクセスは、飛行機か高速船の2択。
飛行機

最も一般的なのがホーチミン市・タンソンニャット国際空港からの空路です。ベトナム航空(運航はVASCO)およびベトジェットエアが毎日複数便を飛ばしており、所要時間は約1時間。ハノイからも定期便があります。

と、いうことでやって来ましたタンソンニャット空港第3ターミナル。今回はVASCOを利用したのですが、同グループであるベトナム航空とはチェックインカウンターが異なるため注意(1敗)。

人生初プロペラ機。ちっちゃくてカワイイ〜!…が、うるさい。羽の近くには座らない方がいいな…。

コンダオ空港に到着。ターミナルに入ればすぐにバゲッジクレームです。荷物を牽引するトーイングトラクターがトコトコとやって来るのを見守る。

空港からの移動は、タクシーかお泊まりのホテルのシャトルバスで。ホテルのシャトルバスはどこも事前予約制だと思うので、以下の情報を添えてメールで予約すること。
高速船(※運休中?)
「PHU QUOC EXPRESS」などの高速船がブンタウやホーチミン市中心部から出ている…はずなのですが、2026年1月現在、チケットが予約できなくなっているため、運休している可能性が高いです。一応、以下の情報は参考まで。
ブンタウについては、所要時間は約3時間半〜4時間。また、2024年にはホーチミン市中心部〜コンダオを約5時間弱で結ぶ高速船も就航。一度運航を停止したものの、2025年に再開したというニュースを見ました。
…が、ホーチミン市中心部と言えどもその場所はヒエップフォック村 (Xã Hiệp Phước)・ヒエップフォック港(旧ニャーベー郡)。いくらなんでもアクセスが悪すぎる。
なんにせよ、船だと時間がかかるし、外洋に出るとかなり揺れることが想定されるため、飛行機でひとっ飛びするのが一番楽なのは間違いない。
島内の交通手段について
タクシー

なにはともあれまずはタクシー。Grabはサービス対象地域外のため利用できませんが、お馴染みのタクシー会社「マイリンタクシー」が走っています。アプリから配車もできるので、事前にインストールしておきましょう。

コンソン島内で主に走っているのは上記の3つの事業者によるタクシー。EVタクシーもあるみたいですね(VinFastではなくBYD車でした)。
レンタルバイク
続いてはレンタルバイク。借りる手段としては、宿か、レンタルバイク専門の事業者が存在します。料金の目安としては1日15万ドン程度。

私は「Thu Hiền (Cho thuê xe máy Côn Đảo – Thu Hiền)」という事業者からバイクをレンタル(Facebook)。ベトナムで主流のメッセンジャーアプリ・Zaloで連絡を取ったところ、英語で応対してもらえました。

ちょっとびっくりしたのが、国際免許の有無を確認されたこと。え、こういうのって免許はチェックされないものだと思ってた…。フーコックとかでバイク運転してる欧米人、絶対無免じゃんね(※勝手な決めつけ)。軍が常駐している島ということもあって、その辺の管理はしっかりしているのかも。
幸い、私はベトナムの二輪免許に切り替えていたので問題無し。皆さんご存知の通り、国際免許に関しては日本とベトナムで加盟条約が異なるため、日本で発行した国際免許証はベトナムでは無効。

当日はバイクをホテルまで持ってきてくれました。なお、バイクの受け取り時に免許をチェックされます。HONDA・VISIONの新しいモデルだったので、快適な走りでした。

バイクは基本的に、どこでも路駐して良さそうな感じ。場所によっては信号や一方通行の道路があるので、運転中は気をつけましょう。
正直なところ、信号が無くても大丈夫そうな感じはしますが、島の人々に交通マナーを教える意図で設置しているのかな?日本の離島でもそういう話はありますよね。
バス(Coming Soon…?)

これまでコンダオに公共交通機関は存在しなかったのですが、2025年12月25日、コンダオ空港とコンダオ市場を結ぶ路線バスが運行開始!2026年にはさらなる路線の増加も見込んでいるようで、バイクが運転できない人でも快適に旅行できそうです。
…というのがベトナム国内メディアでの報道なのですが、どうも2026年1月1日時点、バスは運行していない模様。

実際、コンダオ市場の周辺にバス停は無く、ルートとなっている通りの前のカフェで2時間ほど過ごしてみたのですが、バスは一切通過しませんでした。
一応地元民にも確認しよう…と思い、ホテルのレセプションスタッフ2名にも聞いてみたのですが「よく分からない」とのこと。ここまで大々的に報道されたのに実際は運行できてません、とか責任者は粛清不可避なのでは。
…ということで、一旦「Coming Soon」としておきます。
島内での観光・アクティビティ

まずは透明度抜群のビーチ巡り!大小様々なビーチが点在しており、海に入らなくても、寄せては引く波に足を浸すだけでも十分に気持ちいいです。ライフガードが常駐しているビーチは限られるため、遊泳には十分気を付けて。

島の北側にある「ダムチャウビーチ (Bãi Đầm Trầu)」は、すぐ横が空港の滑走路になっており、着陸する飛行機を間近に見られる珍しいスポット。入場料(大人3,000ドン)が必要ですが、その分管理が行き届いています。

島の南部に位置する「ニャットビーチ (Bãi Nhất)」もまた美しい。片や山々と森、片や青い海と白い砂浜が広がります。

コンダオの重厚な歴史に触れることもまた欠かせません。「コンダオ博物館」&「コンダオ刑務所跡」でこの島の背景を知れば、視点が変わるはず。

国民的英雄ヴォ・ティ・サウ (Võ Thị Sáu) が眠る「ハングズオン墓地 (Nghĩa trang Hàng Dương)」。多くの参拝者が訪れる場所であり、独特の精神文化を感じることができます。

地元の旅行会社は様々なツアーを行なっています。ホテルで相談すれば予約の取り次ぎもしてもらえるはず。アイランドホッピングやシュノーケリング、釣りのほか、絶滅危惧種のジュゴンや、5月〜9月頃ならウミガメの産卵・放流に立ち会えるツアーもあるようです。
困ったときの総合スーパー

中心部には総合スーパー「TAKAI MART」があります(高井…?)。
食料品ならず日用品や衣類等も扱う所謂「ハイパーマーケット」。少なくとも、ベトナムで広く手に入るものであれば揃うはず。お土産的なものは置いていないのですが、「アレ持ってくるの忘れた」「切らしてしまった」というときは頼りになるかもしれません。意外にも、価格は本土とさほど差は無し。
コンダオを訪れる際の注意事項
島のインフラについて、当然ながら水道・電気は整備されており問題無し。データ通信(4G・5G)も基本的に問題ありませんが、場所によっては電波が通じにくくなるかも。
島内には国営銀行(VietinBank)の支店があり、ATMも設置されていますが、数が少なく、故障や現金切れの可能性も考慮し、ある程度の現金(ベトナムドン)を用意していくことをおすすめ。
クレジットカードが使用できる場所は限られます。在住者向けとなりますが、銀行のアプリ等でのオンライン送金は、カフェやレストランであれば大抵受け付けています。
また、歴史的な施設や墓地を訪れる際は、露出の多い服装は避け、敬意を払った行動を心がけましょう。コンダオ刑務所跡はさほど厳しくないですが、ハングズオン墓地は膝が出るようなショートパンツ等はNGです。
まとめ
歴史の重みと、それを受け入れるような穏やかで美しい自然。コンダオは、ただのリゾート地ではない「特別な何か」を感じさせてくれる島です。
今後は、コンダオで泊まったホテルや食事・カフェについても書いていく予定。参考になれば幸いです。



