ハンバーグの乗った、魅惑の「ぱっかーんオムライス」を求めて*AGECHAN@ゴーバップ区

日本料理

オムレツをナイフで切ることで完成する「タンポポオムライス」。曲線を描くオムレツに切り込みを入れると中から半熟の卵が出てきて広がる…という演出が特徴であり、2024年には「ぱっかーんオムライス」としても話題になりました(らしいです)。

そんな憧れのオムライスを、遅ればせながら、ここベトナム・ホーチミン市で味わって来ましたよ。しかも、日本人はおろか外国人が殆ど訪れないであろう郊外で。

本記事では、ホーチミン市ゴーバップ区の日本食レストラン「AGECHAN Japanese Restaurant」をご紹介します。

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「AGECHAN」の場所・外観

タンソンニャット国際空港北西に位置するゴーバップ区。特に有名な観光地があるわけでは無いですが、ベトナム人の間ではベッドタウンとして人気を集め、人口の上昇が続いています。

そんなゴーバップ区を縦断する主要な通り、グエンキエム (Nguyễn Kiệm) 通りへとやって来ました。空港からも比較的近く、交通量の多い活気あるエリアに位置しています。誰も彼も車・バイクをビュンビュン飛ばしているため、道路を横切るのは結構怖い。

そんな賑やかな大通りで目を引く、和モダンな外観。こちらが目的のお店、「AGECHAN」です。

お店の目印は、入口やバルコニーを彩るたくさんの赤い提灯。軒下には「東京」「北海道」「福岡」といった地名が書かれた白い提灯も並び、入る前から日本の雰囲気を全力アピール。木製のルーバー(縦格子)がアクセントになったモダンなデザインが特徴です。

「AGECHAN」の内装・雰囲気

ドアを開けて一歩足を踏み入れると…日本の食堂や居酒屋のような、温かみと活気に満ちた空間が広がっていました。

店内は木製のテーブルと椅子で統一され、どこか懐かしく落ち着いた雰囲気。座席数はさほど多くないものの、2階席もあるかと思われます。

天井からは「ラーメン」「刺身」「たい焼き」といったメニュー名が書かれたカラフルなミニのぼり旗が吊るされます。こういう飾り、どこで買えるんだ…(中国のECサイトで沢山売られているらしいです)。

黒板には、お店の想いが日本語とベトナム語で書かれていました。「親切であることを選択し心から料理する」。味のある実直な手書きの言葉から、料理に対する真摯な姿勢が感じられますわね。

「AGECHAN」のメニュー

「AGECHAN」のメニューはこちら。

丼もの、麺類、一品料理からしゃぶしゃぶなど、日本食レストランらしいラインナップ。寿司や刺身などの生魚は扱わず、上述のようなメニューに注力します。ほとんどの料理が10万ドン未満と、郊外寄りの立地を加味してもお安い価格で提供されていますよ。

特にご飯ものの「Cơm(コム)」メニューは圧巻の品揃え。多くのレビューで触れられているオムライスはもちろん、牛丼やかつ丼といった定番から、「デミ牛カツ丼」などの変わり種まで、その日の気分で選べるのが嬉しいですね。

憧れのオムライスを実食

出ました、「Cơm hamburger omurice155,000ドン。これが、憧れの「ぱっかーんオムライス」…。

深く、そしてツヤツヤと輝くデミグラスソースの湖。その中央に鎮座する、鮮やかなレモンイエローのオムレツ。立ち上る湯気と共に、食欲を刺激するビターで甘い香り…。黒いお盆の上で圧倒的な存在感を放つオムライスはまさに芸術。

ハンバーグを豪快にドッキング。小学生が考えたみたいなメニュー(褒めてます)、最高だな…。ご飯はケチャップライスではなく、白ご飯。

横に添えられたサラダは、緑、紫、黄色と彩り豊かで、すりごまを使ったドレッシングがかかったもの。味噌汁からは、ほっとする出汁の香りがします。

見た目の感動を胸に、初っ端から訪れるこの料理のクライマックス「入刀の儀」へと進みます。ナイフをそっとオムレツの頂点に当てると、しなやかな弾力を感じました。では、ゆくぞッ!

すすすす〜。

あっ、あっ、あっ。

…ご開帳(ぱっかーん)に失敗しました。切り込みを入れすぎましたね。再チャレンジしたいところですが、残念ながら時は一方通行。進んだ先が偶々過去の時間でも無い限り、やり直しはきかないのです。およよ…。

オムレツの表面はしっかり火入れされていた一方で、中から現れたのは半熟のとろとろ卵。まるで黄金色のドレスが広がるように、下のハンバーグとご飯を優しく、そしてゆっくりと覆い隠しています。ちょっとだけおチラしてしまったけど。

ついでにハンバーグもカット。中が赤く見えるのは照明の都合です(たぶん)。

スプーンで、まずは卵とソース、ご飯を一緒にすくい、黄金の一口をいただきます。口に入れた瞬間、バターの芳醇な香りがするふわとろの卵とデミグラスソースが一体に。強いて言うなら、ソースがちょっと水っぽい&薄味過ぎかな。デミグラス特有の甘み・酸味は弱めでした。でも美味。

ふっくらと厚みのあるハンバーグ。スプーンで割ると、抵抗なくスッと切れました。おそらく既製品かな?とは言え、なかなかに肉肉しいハンバーグで、食べ応えがあり◎。

ご飯が主張の強いケチャップライスではなく、白ご飯だったのも正解ですね。ハンバーグには下味がしっかり付いており、それを優しく受け止めてくれる感じ。あと、デミグラスソースにはエノキが入っていました。食感のアクセントとして良い仕事をしてくれます。

いやあー、満腹でございます。まさかこんな郊外で、日本の洋食屋さんのようなオムライスに出会えるとは思わなかった。エンタメ感たっぷりの「ぱっかーんオムライス」にハンバーグが乗って155,000ドンというのもお値打ち。日本人街や外国人街なら25万ドンくらいはしそう。他のメニューも面白そうなので再訪したいですね。

難点を挙げるとしたら、中心部からのアクセスの微妙さかな…。バイクが運転出来れば楽なのだろうけど。どないして帰ろ…(結局、バスで帰りました)。

「AGECHAN」の店舗情報

お店の名前 AGECHAN Japanese Restaurant
住   所 814 Đ. Nguyễn Kiệm, Phường 3, Gò Vấp, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 11:00~15:00、17:00~22:00
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