これまで何度か当ブログでも取り上げてきましたが、近年、ホーチミン市では抹茶が大人気。
抹茶を謳うドリンク・スイーツが単なる「抹茶風味」だった…というのは昔の話。日本から取り寄せた抹茶を使用する本格的な抹茶カフェが続々登場しています。これでベトナムに限らず世界中でも同様に抹茶が人気というのだから、そりゃあ品薄にもなりますわ。
今回紹介するのは、ホーチミン市1区・7区に店舗を持つ抹茶カフェ「Matte」。冗談みたいな名前のお店ですが、幅広い種類の抹茶ドリンク・スイーツを扱う、言うなれば「ガチ抹茶カフェ」と言っても良いでしょう。
元々は2024年4月に7区でオープンし、同年12月に1区でも店舗をオープンした、という流れのようです。本記事では、ホーチミン市1区店をご紹介。
「Matte」1区店の場所

フーニャン区にもほど近い、1区北西部・チャンニャットズアット (Trần Nhật Duật) 通りへやって来ました。旅行者に大人気のベトナミーズレストラン「Cục Gạch Quán(クックガッククアン)」の近く…と言えば分かる人もいるでしょうか。

「Matte・1区店」の外観はこちら。ガラス張りで開放的なお店です。
入居しているのが雑居ビルのG階・1階ということもあってか、少し無骨な印象を受けましたが、そこは椅子や庇テントのグリーンカラーが差し色的な華やかさを与えてくれています。
「Matte」1区店の内装

早速入店。G階はこんな感じで、カウンター席と簡易的なベンチ席を備えます。注文はこちらで行い、先払い会計となります。…ん?

ちょっと待って、「ちょっと待って (Chotto Matte)」って何!?!?

…と、日本人(および日本語学習者)が思わず突っ込んでしまいそうな、脱力ものの冗談が真っ先に目を引きます。「抹茶 (Matcha)」→「Matte」という連想による店名だけでも気が抜けてしまったと言うのに!

カウンターの中では、専属の「Matteバリスタ」が茶筅でお茶を点ててくれます。茶筅も最近あちこちのカフェで見かけるようになりましたね。抹茶を扱うお店がそれだけ増えているということか。

1階(日本の2階)の内装はこちら。テーブル席がメインであり、G階よりも居心地が良さそうです。木目・白・トーンが異なる2つの緑を基調とした、柔らかい雰囲気。

座席数は充分あるように見えますが、週末の場合、朝8時にお店がオープンしてから2〜3時間後にはほぼ満席となります。午前中に訪れるのであれば9時台にはお店に行きましょう。

一方、座席にはコンセントを備える親切さも。ベトナムのカフェの多くは、混雑時の時間制限ルールは基本的に明示しておらず、満席であっても長居を許容していることが多いです(常識の範囲で)。

なお、店内の至る所に茶筅の形が隠れています。探してみてね(「隠れミッキー」みたいな感じで)。
「Matte」のメニュー


「Matte」のメニューはこちら。色々気になるドリンクはありますが、ひとまず「Matcha Latte」「Yama Frappuccino」あたりが特に「推し」のようです。

また、ペイストリー類も扱います。あとは、オマケ程度にコーヒーも。


ペイストリーは常に全種類あるとは限らないようですが、一番人気なのは「Matcha Lava Tiramisu(135,000ドン)」でしょう(画像右)。これ、ベトナム人インフルエンサーのインスタで見たことあるやつだ!

クロワッサンやカヌレもあります。「とりあえずメニュー加えているだけ」なのか、それともこだわりがある一品なのかは不明ですが。
一度目の実食。フツーに美味しい

注文したのは、「Matcha Latte (M)」77,000ドンと「Matcha Cheesecake」98,000ドンの2品。
2つ合わせて175,000ドンか…日系の店でラーメン食べられるな、と当時は思ったものですが、今ならそこまで高くないように見える。直近、1杯13万ドンの抹茶ラテを飲んだせいかな…。

「やぶきた」と「おくみどり」の2品種をブレンドした抹茶を使用したラテ。苦味は控えめで、メニューにもそのことが記載されています。
美味しいのですが、ちょっと甘さが強いかな。これまでのベトナム基準と比較すればそれほど甘くは無いのですが、昨今の甘さ控えめが持て囃されている風潮を考えると、結構甘い。注文時に何も聞かれなかったのですが、自分から「砂糖少なめ」と伝えるべきだったな。

で、こちらはチーズケーキ。本当は抹茶ティラミスの方を試してみたかったのですが、価格にビビってしまいました。ちょっと良い上等なランチくらいの値段するじゃん…。

うん、美味しいです。抹茶感はあまりなくて、チーズの味が強い。しっとり、と言うよりは、ほろほろと崩れる感じの食感です。
と、ここまでが、2025年1月時点での初回訪問。
再訪。個性派抹茶ドリンクを試す

その後、1カ月後に友人と共に再訪しました。このときは日曜の朝9時で、ちらほらと座席が埋まり出していた段階。

トイレのドアに書かれた「Mắttè」の文字を見た友人が突然笑い始めました。どうも、ベトナムの幼児語で「おしっこ行きたい」を意味する「Mắc tè」と音が似ているらしい。下ネタやんけ!
…まあ、間違いなく意図的なものでしょう。なお、幼児語で言わない場合は「Muốn đi tiểu」です。日本人的には「ちょっと待って」にばかり目が行きましたが、こんなところにも笑いどころがあったとはね…。

今回、私は「Sora Latte (M)」90,000ドンを注文。友人が注文したのは「Matcha Khổ Qua (M)」75,000ドンです。

「Sora Latte」は、抹茶・ラベンダーシロップ・スピルリナパウダー・牛乳を組み合わせた、青と緑の複層構造が美しいドリンク。「抹茶×ラベンダー」という、日本人からはあまり出てこなさそうな発想に、脳内の千利休が思わず首を傾げます。

こちらは、かき混ぜずに2層のまま、ラベンダーミルク部分と抹茶部分を交互に楽しむのが良いかと思います。抹茶の仄かな苦味のあとにふわっと爽やかに香るラベンダーがたまらない。脳内千利休もニッコリ。
ただ、ミルクのみならず抹茶も加糖されており、やはり少し甘すぎる気がしました。ラベンダーシロップの甘みがあるだろうし、注文時に無糖を指定しても良い気がする。

で、友人の「Matcha Khổ Qua」。「Khổ Qua」って…ゴーヤ!?
「抹茶×ゴーヤ」とか、「抹茶×ラベンダー」以上に思い付かない組み合わせじゃないですかね。脳内の千利休も、「待って!?」と腰を抜かします。
しかし、一口貰ったところ…美味しい。
抹茶の苦味のあと、ゴーヤの苦味がかすかに残るのですが、すっと身を引いて儚く消えてしまいます。嫌な感じの苦味や青臭さは感じられず、全く違和感が無い。何だこれ、面白すぎる。
「Matcha Khổ Qua」ですが、メニューを見たところ、抹茶・ゴーヤジュース・ココナッツウォーター・メロンミルクという思った以上に上級者な組み合わせ。メロンを加えたのは、ゴーヤと同じ瓜系だから?
いやはや、好き嫌いが分かれる味かもしれませんが、既存の抹茶ラテに縛られない発想にお見それしました。脳内千利休も、両腕で大きく「マル」のジェスチャーをしています。
まとめ&「Matte」1区店の店舗情報

ホーチミン市内に2店舗を展開する抹茶カフェ「Matte」の1区店をご紹介しました。
お店としてはベーシックな抹茶ラテを推していましたが、意外な組み合わせの抹茶ドリンクこそがこのお店の真髄かのように思います。ぜひ、色々と試してみてください。甘さ控えめが好きな方は、注文時にその旨を伝えることをお忘れなく。