台湾を旅する者にとって、朝食は一日の始まりであると同時に、特有の「早餐」文化に触れることのできる絶好の機会。早朝から活気あふれる朝食専門店が至る所に点在しています。
本記事では台湾の古都・台南の、学生街の角地に立つ老舗の朝食店「海鷗牌餐飲城」をご紹介します。
「海鷗牌餐飲城」の場所

台南市東区・勝利路にやって来ました。国立成功大学をはじめとして、中学・高校などの教育機関が集まる学生街エリア。油断すると眩く若々しいエネルギーにやられてしまいそう…!(?)

勝利路を歩いていくと、大きな交差点の角に見えてきたのが緑色の看板を掲げた「海鷗牌餐飲城」。since 1978…ということで、年数にしてほぼ50年。

本日、生憎の雨ですが、レインコートを着たままバイクで乗り付けて注文を済ませて去っていく人々の姿があります。台湾もベトナム同様バイク文化ですが、なんというか秩序がありますね…クラクション鳴らさないし、歩行者優先だし…。いや、ベトナムもああ見えて、言語化できないある種の秩序はあるのだけど。

店内というよりは、歩道にせり出したオープンカウンターといった趣の造り。客席はフロアに並べられたシンプルなテーブルと赤い椅子のみですが、ベトナム在住者的には馴染みのあるスタイル。

棚にはサンドイッチやトースト、ラップに包まれたおにぎりが整然と並び、注文を待つまでもなくその場で手に取れるようになっています。こうしたスピード感は、忙しい勤め人や学生にとって重要ですね。
「海鷗牌餐飲城」のメニュー

「海鷗牌餐飲城」のメニューはこちら。台湾のローカル食堂の例に漏れず、紙に数量を記載して注文・支払いをします。オー楽ちん楽ちん。
伝統的な飯糰(台湾式おにぎり)や蛋餅から、ハンバーガー、トースト、さらには焼きそば(炒麵)やフレンチトーストまで、カテゴリーは多岐にわたります。蛋餅一つとっても、チーズやハムといった定番から、ハッシュドポテトや韓国風キムチを加えたものまで20種類以上。飲み物も、サイズや温度、ミルクの種類を細かく指定可能。
実食

「玉米蛋餅(コーン入りの台湾風卵焼きクレープ)」35元、「肉包(肉まん)」25元、冷たい「鮮奶豆漿」の小サイズ30元。

まずは蛋餅。甘辛い醤油ダレとチリソースを両方かけちゃう。コーンの素朴な甘みとほんのり焦げ目のついた生地の香ばしさがソースと合わさって口の中で解けていく。もちもち感も良し。

肉包。袋越しに伝わるずっしりとした重みと熱が雨の日の肌寒さを忘れさせてくれますね。ふっくらとした生地を割ると、中からジューシーな肉餡が現れます。生地はほんのり甘くただただ優しい。

「鮪魚蛋吐司(ツナ玉子トースト)」50元。…ちょっと注文しすぎだな?サクッとトーストされたパンの間には、たっぷりの千切りキャベツと目玉焼き、そしてツナ。気取らないけど家庭的な安心感を与えてくれます。
特別に奇をてらったメニューがあるわけではなく、よくある朝食専門店のひとつではあると思うのですが、半世紀近くにわたり多くの地元住民の胃袋を満たしてきたお店。こうした何気ない日常の角地にこそ、土地の魅力が隠れているのです。

