牛骨で出汁を取ったスープを用いる牛骨ラーメン。牛骨特有の甘みと香ばしさが特徴と言われる、一風変わったラーメンです。
近年、ホーチミン市中心部におけるラーメンブームは凄まじく、日本人経営・ベトナム人経営問わず数多のラーメン屋が存在しますが、今回紹介するお店は「宮崎牛骨ラーメン」を謳う珍しいお店。さらには、牛骨スープとフォーを融合させた「Phở Ramen(フォー・ラーメン)」まで味わえるそうな。
本記事では、市内中心部のグルメストリート・ファンシックロン通りに位置するラーメン店「KIMBO Ramen」をご紹介します。
「KIMBO Ramen」の場所・雰囲気

フーニャン街区(旧フーニャン区)のファンシックロン (Phan Xích Long) 通りにやって来ました。
かねてよりカフェやローカルフード、各国料理のレストランがずらりと軒を連ねる市内でも有数のグルメ通り。現在ではホーチミン市によって公式に「フードストリート」として指定されています。

藍色を基調としたシックな壁面に、店名である「KIMBO」の文字と金棒をモチーフにしたロゴが力強く浮かび上がる、こちらが「KIMBO Ramen」。

エントランスには暖簾が揺れています。モダンなデザインの中に和の様式美を巧みに取り入れる様はなかなかにハイセンス。

2階に案内されました。

客席は、木製のテーブルや椅子、フローリングを基調とした落ち着いた雰囲気。壁には日本的な格子を思わせるデザインや、竹を描いた照明パネルが配され、和のテイストを随所に感じさせます。

そして、壁一面に飾られた竹製ザル「mẹt tre(メットチェー)」のアートワーク。ここでまさかの和と越の融合。しかも、よく見ると日本列島の形をしている!?

全体的にラーメン屋らしからぬデザインが特徴です。ちなみに卓上に調味料は置かれていないので、料理の提供時点で味は完成しているということなのでしょう。

なお、お茶は無料でいただける模様。ありがたや〜。
「KIMBO Ramen」のメニュー


「KIMBO Ramen」のメニューはこちら。一般的な豚骨ラーメンとは一線を画す「宮崎牛骨ラーメン」の文字が目を引きます。
スープは、クリーミーな「Ramen Gyukotsu(牛骨ラーメン)」(99,000ドン〜)と、旨辛な「Ramen Miso Cay(旨辛味噌ラーメン)」(109,000ドン〜)の2枚看板。
さらに、「Truffle Gyukotsu Ramen」(199,000ドン)や「Kani Gyukotsu Ramen」(229,000ドン)といった創作ラーメンも並びます。そして、日越融合の「Phở Ramen Sữa(フォー・ラーメン・ミルク)」(84,000ドン〜)も。


店内の壁には、そのこだわりを雄弁に語るパネルが飾られていました。
気になるフォーラーメンを実食

「PHỞ RAMEN SỮA BÒ SOUS VIDE(低温調理牛肉のせフォー・ラーメン)」84,000ドンと、「Đậu phụ lụa lạnh Nhật(冷奴)」45,000ドンを注文。

どろり濃厚な牛骨白湯スープ。曰く、大量の牛の軟骨と肉を12時間以上も煮込み、日本の秘伝の製法で骨の髄まで栄養と旨味を丸ごと溶かし込んだ、というもの。

まずはスープを一口。牛骨から溶け出したであろう濃厚な旨味とコクがガツンと来ました。確かに、豚骨とは趣を異にします。黒胡椒のスパイシーな香りが、全体の味を引き締める絶妙なアクセントに。

トッピングの牛肉。「SOUS VIDE(低温調理)」を謳うだけあって、歯で簡単に噛み切れる柔らかさ。噛むほどに赤身の旨味が口いっぱいに広がります。

麺は、もちろんフォーに使われる平たいライスヌードル。「フォーボー(牛肉のフォー)」の一種と考えれば、まあ違和感無いですよね。
日本のラーメンが持つ力強さと、ベトナムのフォーが持つ優しい魂が、丼の中で手を取り合っている、そんな面白い一杯でした…が、メニューの右下にちょこんと記載されていたのを見るに、看板メニューというわけでは無いのかもしれないな。次回訪問時は素直にラーメンをいただきたいと思います。