緑豊かな庭とプールが誘う、微睡みのヴィラカフェ*Lull Café@アンカイン街区

カフェ

ホーチミン市の中でも、ひときわ洗練された空気が流れるタオディエン (Thảo Điền) 地区。

おしゃれなレストランや雑貨店が軒を連ねるわけですが、どうしてもその浮ついた雰囲気を「しゃらくせえ!」と感じてしまい、普段はなかなか近づくことが出来ずにいます。

一方、外国人が屯するエリアを離れると、昔ながらの街並みを残す閑静な住宅街が広がります。そんな中にひっそりと佇む、一軒のヴィラを改装して作られたカフェ「Lull Café」。

緑豊かな庭、リゾート気分を味わえるプール、そして光が差し込む開放的な店内…。その名の通り、喧騒を忘れさせ、穏やかで「まどろむ」ような時間を過ごせる、まさに都会のオアシスでした。

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「Lull Café」の場所・外観

やって来ました、アンカイン (An Khánh) 街区(旧トゥードゥック市タオディエン街区)。この辺りはメインストリートから少し奥まったエリアであり、昨今のタオディエンのイメージとは異なるローカル感が残っています。

Số 47(47番)通りという、社会主義感溢れる名前の通り。まあ、まだ名前(偉人や歴史的な出来事など)が付けられていないだけだと思いますが。

お店の住所は「44 Đ. Số 47」。こちらが「Lull Café」です。

緑の蔦が絡まる古いコンクリートの門柱に掲げられた、白いモダンな看板が目印。

オープン時間である朝8時を迎えると同時に、重厚な鉄の門をくぐりました。そこに広がるのは想像以上に緑豊かな空間。先ほど店員さんたちがお掃除をしていたことからも分かる、手入れの行き届いた庭が広がり、南国らしいプルメリアやヤシの木々が訪れる人を歓迎。

建物は、コロニアル様式を彷彿とさせる白いヴィラ。テラスの屋根を支える太い円柱や、味わい深い木製の大きな扉が、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

そして、このカフェの最大の特徴とも言えるのが、庭の奥に広がるプライベートプール。…どういうことだってばよ?

プールサイドにはデッキチェアも置かれ、ただ眺めているだけでも十分にリラックスできます(というか、多分遊泳はできない)。この非日常的な景色こそが「Lull Café」の売り。

ちなみに、敷地内には集合住宅が隣接しており、ここで生活されている方も居るので迷惑にはならぬよう。まあ、カフェでそう騒ぐ人は居ないし、ここを訪れるような人間は民度高そうだから大丈夫か(言い方よ)。

「Lull Café」の内装・雰囲気

外観から受けるイメージ通り、店内のインテリアも洗練されています。ヴィラをリノベーションした店内は、天井が高く、柱や壁は白で統一されているため、広々としていて開放感抜群。

大きな窓からは、庭の美しい緑と柔らかな自然光がたっぷりと差し込み、店内を明るく照らします。窓枠やドアは外観と同じく温かみのある木製で、白い空間に優しいアクセントを加えています。

座席のバリエーションが豊富なのも、このカフェの魅力。一人で静かに過ごしたいとき、友人とおしゃべりしたいとき、グループで集まりたいときなど、様々なシチュエーションに対応できそう。

個室もあります。どうやら、ここでワークショップなんかも開催される予定だそうで。

広々したカフェですが、コンセントの数が少ないので、長時間滞在しての作業には向かないかな。どちらかというと、デジタルデバイスを手放して、ゆったりと過ごしたいカフェです。

奥には、ゆったりと体を預けられるオリーブグリーンのソファ席が。壁には蔦の植物が飾られ、リラックスムード満点。

温かみのある光でライトアップされたカウンターにはハイスツールが並び、一人でも気軽に立ち寄れそうな雰囲気。

階段下のデッドスペースには、こぢんまりとしたベンチシートが置かれ、秘密基地のようなワクワク感があります。

店内に設けられた日本茶のディスプレイコーナー。陶器の茶碗や、「千代の昔」と銘打たれた抹茶の茶筒などが品良く並べられており、日本茶へのこだわりが伺えます。

留まることを知らない抹茶ブーム。抹茶「風味」のシロップや安価な中国産・台湾産抹茶では無く、日本産の抹茶を使用するお店はあちこちで見られます。

「Lull Café」のメニュー

「Lull Café」のメニューはこちら。

コーヒーは、エスプレッソやカプチーノといった本格的なイタリアンコーヒーに加え、ベトナムコーヒーももちろん楽しめます。特筆すべきは、「Espresso with Tiramisu Foam」や「Coconut Water with Espresso Cloud」といった、遊び心あふれるクリエイティブなメニュー。

「MATCHA FUSION」のセクションでは、定番の抹茶ラテはもちろん、「Matcha with Tiramisu Foam」や「Matcha with Pistachio Foam」など、斬新な組み合わせが目を引きます。

フードは、クロワッサンやバナナウォールナッツケーキ、ティラミスといったペイストリーが中心。ドリンクのお供にぴったりの軽食が揃っています。

実食。飲みやすい抹茶ラテ

今回は、「Matcha Latte」(69,000ドン)と「Banana Walnut Cake」(35,000ドン)をオーダー。

抹茶ラテは、ミルクの白と抹茶の深い緑が美しい二層のグラデーションを描いています。まず一口、混ぜずにいただくと…苦味はほどほどに、抹茶特有の心地よい旨味が感じられます。とても飲みやすい。

ゆっくりと混ぜ合わせると、フレッシュミルクの優しい甘みが加わり、まろやかで深みのある味わいに変化。甘さ控えめで注文しましたが、お店としても抹茶の風味を大事にしていると思うので、オリジナルレシピからして甘さはそれほど加えていないんじゃないかと予想。

バナナウォールナッツケーキは、オーダー後にリベイクして提供してくれます。

ずっしりとしたパウンドケーキの生地は、フォークを入れるとしっとり。安価なケーキにありがちな油脂のイヤな感じも無く、上質な味わい。

生地の中には香ばしいクルミが入っており、そのカリッとした食感が、柔らかいケーキの良いアクセントになっています。上からかかったチョコレートソースは…ちょっと甘すぎなので、無くても良かったかな。

ちなみにこちらのバナナケーキ、メニューでは35,000ドンだったのですが、実際の会計時は45,000ドンとなっていました(あとで気付いた)。解せぬ…。客を欺こうとしているわけではないと思いますが、念のため。

「Lull Café」の店舗情報

お店の名前 Lull Café
住   所 44 Số 47, An Khánh, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 08:00 〜 22:00
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