ベトナム南部。ホーチミン市中心部から車やバス、高速船で約2時間ほどの距離にあるビーチリゾート「ブンタウ (Vũng Tàu)」。
ブンタウは複数のビーチを有し、それぞれのビーチはエリアごとに特性があります。ブンタウの中心地から少し北上した「Bãi Dâu(バイザウ/ストロベリービーチ)」と呼ばれるエリアは、自然に囲まれた、地元の人々に愛される場所。
しかし、近年は写真映えを狙った大型のオーシャンビューカフェが次々にオープン。フォトジェニックな写真を撮りたい多くのベトナム人を惹きつけています。その結果、週末ともなるとこのエリアは大混雑。風景を愉しむどころではない。
とは言え、混み具合はエリア内でも差があります。今回は、ストロベリービーチ沿いに店舗を構えるカフェ「SEA & SUN 3」をご紹介。
時間帯によるものの比較的穴場なスポットであり、さらにはとんでもないものまで併設した、色々と規格外のカフェなのだった…。
「SEA & SUN 3」の場所・外観

ストロベリービーチエリアを走る、チャンフー (Trần Phú) 通りへとやって来ました。片側には緑濃い山々が連なり、もう片側には静かな海が広がる、風光明媚な海岸沿いの道…なのですが、先述の通り「映え狙い」のカフェが軒を連ねるエリアでもある。

そんな道を中心部方面から北上していくと、突如として現れる、建物全体が温かい木材で覆われた印象的なファサード。それが「SEA & SUN 3」です。

広く開かれたエントランスが印象的な外観。カフェの中を通り抜け、その先に広がる海がちらりと見える設計になっており、「おいでよ」と手招きされているかのような気分になります。

なお、店名に「3」とある通り、こちらのお店は3号店。1号店・2号店はストロベリービーチの南側に位置しますが、お茶するどころではない混雑ぶりなので、おすすめしない。詳しくは後述。
「SEA & SUN 3」の内装・雰囲気

こちらのカフェ、建物は3階建てと、かなりの大箱です。大量の客席を備えているので、気分や目的に合わせて好きな場所を選べるのが魅力。

早速ですが、こちらがお店の主役。多くの人々を惹きつける、1階のプールエリアです。
…え?

そう、こちらのお店、ただのカフェではなく、プールを備える「プールカフェ」。そんなのアリ!?

このプール、当然ながらただのインテリアでは無く、遊泳が可能。しかも、ドリンク代だけで。さすがにタオル等は持ち込みが必要となりますが、これだけの巨大施設、ドリンクの売上だけでランニングコストがペイできるものなのか…!?

プールの周りや、さらに海に近づいたウッドデッキには、たくさんのテーブル席が並びます。雰囲気はさながらビーチリゾートのクラブハウス?

階段を上がった2階。テラス席もありつつ、涼しい完全屋内席を備えます。ブンタウの強い日差しや暑さから逃れ、静かに過ごしたい時に最適なフロアと言えるでしょう。

さらに上へと進むと、屋根付きのルーフトップテラスが広がります。ここが3階の客席。特に、太陽が水平線に沈むサンセットの時間は格別かも。

下に目をやれば、1階のプールと、その先に広がる雄大な海の景色が。海が汚いのは、大目に見ましょう…。乾季のブンタウであれば、海はそれなりに綺麗。

この先の階段はガタが来ているようで、立ち入り禁止になっていました。ただ、立ち入り禁止であることが分かりにくく、客がそちら方面に向かう→それに気付いた店員が大声で制止…の繰り返し。せめて、立て看板を設置するとか、さ…。
「SEA & SUN 3」のメニュー

「SEA & SUN 3」のメニューはこちら。
ベトナムの定番「カフェスア」はもちろん、最近トレンドの塩クリームコーヒーやエッグクリームコーヒーといった創作系も。フルーツティーのシリーズは南国にぴったり。
正直、ドリンクはおまけみたいなものであり、「写真スタジオへの入場料を払ったら飲み物が付いてきた」と考える方が正しいかも?ただ、1杯50,000〜70,000ドン程度でこのロケーションと空間を好きに使える&プールも利用できる…と考えたら破格!

私が注文したのは「Trà Oolong Cam Đào(ピーチオレンジウーロンティー)」。美しいオレンジ色は、夕暮れ時によく似合うかもしれない。

ちょうど良い座席を探して歩き回っていたら、カップがすっかり汗をかいてしまっていた。甘さ控えめのリクエストに応じてくれたので、すっきり飲みやすいドリンクに仕上がっていました。
海沿いカフェがどこも混雑しすぎな件
ここからはおまけ。冒頭で1号店・2号店は訪れるべきではないと書いた通り、海沿いカフェの混雑はこんなものではありません。

と、いうことで1号店「SEA & SUN 1」前の道路の様子がこちら。なんだこれは。近隣住民から苦情が来そうなレベルの路上駐車ぶりだ…。

店頭。ドリンクを注文するにも一苦労である。群雄割拠の如く人混みを分け入り、なんとかオーダー。


空いてる席?ありません。これほどの大箱カフェでありながら、午前10時段階でほぼ満席。

この手のオーシャンビューカフェにほとんどに共通することですが、店舗の大きさと客の数に対してスタッフが足りていないため、掃除が全く追いついていない。飲みかけのドリンクがあちこちに放置されていたり、床にはゴミが散乱したままになっています。
何が酷いって、木造の床にタバコの吸い殻まで落ちているところ。火事でも起こしたいんか…?

設備のメンテナンスもいまいち。ウッドデッキの劣化が目立ちましたなあ…。

なお、混雑具合に関しては、これでもまだマシな方。夕暮れ時になると、ストロベリービーチ周辺のカフェは目も当てられなくなります。こちらは「SEA & SUN 1」のお隣りにある「OASIS SEA」にて。

3方位からの注文を一人で処理していく店員さん。聖徳太子かな?

ドリンク受取口も混沌。注文してから30分待ったけど一向に呼び出しされなかったので、大声で番号を叫んでなんとか受け取り。




この日はベトナムの連休中日だったため大変な混雑でしたが、平日であればここまで混み合うことは無い…ハズ。ひとつ、ベトナム文化の理解も兼ねて、オーシャンビューカフェに訪れてみてはいかが?