ベトナム南東部・ビントゥアン省 (Bình Thuận) に属する離島「フークイ島 (Phú Quý)」。省都・ファンティエット (Phan Thiết) から、南東約120kmの沖合に位置する離島です。
フークイ島の人口は約3万人と言われており、離島ながらなかなかに栄えており、昨今は旅行先としても注目されていることから観光客も多く見られます。一方で外国人の姿はほとんど見られないためか、外国料理のレストランなどはほぼ皆無。
しかし、そんなフークイ島で唯一の日本食レストランを発見。日本人がほぼ訪れない離島にある日本食屋…気になりますよね?
本記事では、フークイ島の日本食レストラン「Izakaya Hasuda」をご紹介します。
「Izakaya Hasuda」の場所・雰囲気

やって来たのは、フークイ島北部・バンチャン王女 (Công Chúa Bàn Tranh) 通り。

薄暮の住宅街の中で暖かな光を放つこちらのお店が、「Izakaya Hasuda」。コンクリート打ちっぱなしのような外観は日本食店らしさは無いものの、だるまがペイントされた大きな植木鉢が良い味出してます。


店内は、カウンター席と、6人がけの席が2つ。店内の奥にも客席があるようでした。

酒瓶やとっくりなどを並べ、離島でものが少ないであろう中でも、日本らしさを演出しています。

これもまた日本っぽさの演出?壁にはマンガのコピーがびっしりと貼られており、そして何故か『ドラベース』のベトナム語版コミックが。ちなみにこれ、「Doraemon」ではなく「Đôrêmon」なので海賊版っすね(バッサリ)。(※参考)
「Izakaya Hasuda」のメニュー






「Izakaya Hasuda」のメニューはこちら。やっす…。
巻き寿司が30,000〜45,000ドン、寿司盛りが55,000ドン、カツ丼・親子丼が40,000ドンなど。いくらなんでも安すぎる。
日本食に必要な食材は最寄りでもファンティエットから取り寄せることになるでしょうし、モノによってはファンティエットでは手に入らないものもあるでしょう。それを加味すれば、本土よりも価格が高くなって当然なのに、むしろ安いというのは、どういうことなのか…。
そもそも、フークイ島は全体的に物価が安いです。立地上、戦略的に重要な場所だろうから、人を住まわせるために政府から補助金でも出ているのか…?うーん、ナゾ。
実食。激安日本食の実力

注文した品が出揃いました。

「Cơm Lươn Nhật(うな丼)」55,000ドン。うなぎの量が少しさみしいですが、この価格なので何も文句は言えません。

うなぎの上には蒲焼のタレもかかってるし、うな丼のエッセンスは感じられます。ご飯も、ちょっとぱさついてはいたものの、ジャポニカ米を使っているみたい。
ちなみに、うな丼には別添えのタレが付いてきたのですが、「追いタレなんて気が利いてるな〜」と思っていたところ、中身はベトナム醤油でした。あの甘いヤツですね。

「Salad Hasuda」35,000ドン。キャベツサラダにお酢ベースのドレッシングがかかったシンプルな一品、ですが、トッピングの炒り胡麻が香ばしく、良いアクセントになっています。

「Gà Karaage(唐揚げ)」40,000ドン。やはり安い…。

残念ながら、ほとんどを衣が占めていたのと、下味が付いておらず無味でした。塩胡椒とレモンが添えられていればなあ…。

一応、ケチャップ・マヨネーズ・チリソースが提供されるので、それで味変することが可能です。

「Trà Mơ Hasuda(梅ティー)」20,000ドン。梅ジュースみたいな甘酸っぱさで、美味でした。なお、お店ではオリジナルの梅酒も提供しているようです。密造酒じゃないよな…?
離島にも抹茶ブーム?「Rùa matcha」
ここからはおまけ。フークイ島では、「Izakaya Hasuda」以外にも日本のエッセンスと出会うことがありました。

島東部に位置するドリンクスタンド「Rùa matcha」。ビーチが近く、ホームステイなどの宿が並ぶエリアです。

こちらの看板メニューは抹茶ラテ。ホーチミン市でも大人気の抹茶ですが、離島にもブームが波及しているようです。価格は25,000ドン、量は1リットルです。安すぎて最早ギャグの域。

「どうせ色が緑なだけの、抹茶風味シロップを使うんでしょ?」と高をくくっていたのですが、なんと、きちんと抹茶の粉末を使用してお茶を点てていたのでした。さすがに茶筅ではなく、電動のミルクフォーマーを使っていたけど。

そしてこちらが件の抹茶ラテ。でっか。

思わず自撮りしてしまう大きさでした。がぶ飲みできる抹茶ラテなんて、そうそう無いぞ…。

他に見つけた日本っぽいものその①、そろばん教室。ホーチミン市でもそろばんを教える教室は幾つかあるのですが、まさか離島にまで!

他に見つけた日本っぽいものその②、「KARAOKE OSAKA2」。確かにカラオケは日本生まれではあるが…。残念ながら?閉業してしまったようです。