ムイネーへの玄関口、ファンティエット市街地で人気のローカルフードを全制覇…したかった

ビントゥアン

ベトナム南東部に位置するビントゥアン省 (Bình Thuận) の省都「ファンティエット (Phan Thiết)」。ホーチミン市から北東へ約200km、海岸線が続く風光明媚な街として知られています。

ファンティエットと聞いて多くの人が思い浮かべるのが、市街地から少し北東にある「ムイネー (Mũi Né)」エリアでしょう。

そんなわけで、ファンティエット中心部は若干影が薄いのですが、単なる中継地点と見なしてしまうのは早計。実はローカルフードの宝庫なのです。

ということで、本記事では、ファンティエット市街地で食べるべきローカルフードをご紹介。選定にあたっては、GoogleのレビューやSNSにおけるグルメアカウントの投稿を参考にしました。

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《バインカン》Lân Nguyệt

ベトナム中南部、特にニントゥアン省とビントゥアン省で人気の米粉パンケーキ「Bánh Căn(バインカン)」。カインホア省、ラムドン省など、南中部沿岸の他地域でも食べられています。

見た目は南部・ブンタウ名物の「Bánh Khọt(バインコット)」と似ていますが、作り方は全く異なります。バインカンは、小さな土鍋のような型を使って炭火で焼くのが特徴です。

やって来たのは、こちらの「Bánh Căn Lân Nguyệt」。昼食どきを過ぎた14時前頃の訪問でしたが、賑わっています。オヤツにちょうど良い、という間隔なのかな。

メニューはこちら。バインカンとつけダレをそれぞれ注文して、一緒にいただくのがファンティエット流。つけダレのバリエーションも特徴であり、オーソドックスな魚醤ベースのタレだけではなく、煮魚入りのつけダレもあります。

周囲の人が何を食べているのか観察しつつ、注文したのは「Bánh Căn25,000ドンと、つけダレである「Nước Chấm(ヌオックチャム)」20,000ドン。あと、冷たいお茶が無料で貰えます。

お店の真ん中ではお姉さま方が手際良く作業をされており、爆速で提供されました。

つけダレには、肉団子・ゆで卵・豚の皮・千切り青マンゴーなどが入っています。あと、揚げた豚の脂も入っていました。聞いたところによると、揚げた豚の脂をトッピングするのが今流行ってるらしいですよ?

熱々のバインカンを、つけダレにたっぷりと浸して食べましょう。

炭火で香ばしく焼かれた米粉パンケーキは、鉄板に面していた部分はさくさくとクリスピー、反対側はしっとり食感で、お米の甘みが感じられます。つけダレは、にんにくと唐辛子の効いた、パンチのある味でありながら、青マンゴーが口の中をさっぱりさせてくれるので飽きが来ません。

肉団子は少し冷えてましたが…まあ、作り置きなので仕方ないね。とはいえ、しっとりとジューシーな仕上がりでした。

無言でヨーグルトが提供されました。これはサービスではなく、手を付けるとお金がかかるので注意。ただ、価格は10,000ドンなので微々たるものです。ヨーグルトはチーズ味で、濃厚な味わいながら心地良い酸味もあり、食後の口直しにはぴったり。

お店の名前 Bánh Căn Lân Nguyệt
住   所 8 Đ.Hải Thượng Lãn Ông, Phú Trinh, Thành phố Phan Thiết, Bình Thuận
営 業 時 間 09:00~21:00

《バインボットロック》Ánh Minh

ベトナム中部のフエ発祥とされる伝統的な料理「Bánh Bột Lọc(バインボットロック)」。小さく透明感のある蒸し餃子の一種であり、タピオカ粉で作られたもちもちとした皮の中に具材が入っています。

ファンティエットでは小エビ入りのバインボットロックが広く食べられており、特にファンティエット市場 (Chợ Phan Thiết) 内では多くのお店で販売されているようです。と、いうことでやって来ました。

屋台だったり、しっかり店を構えていたり、はたまた通路に座り込んでいたりと、売り方のスタイルはさまざま。基本的には持ち帰りで購入するのが主流らしく、プラ容器に詰められて売られていることが多いです。

その中でも人だかりが出来ていたこちらの「Ánh Minh」。

タッパーを通り越して衣装ケースみたいな巨大容器にギッシリと詰まったバインボットロック。

この場で食べることを告げると、お皿に盛って提供してくれました。価格は30,000ドン。魚醤ベースのつけダレを纏って艶めかしく輝く様が美しいですわね。

もちもちしたタピオカ皮、パリパリの小エビ、さくさくのフライドオニオンと、変化に富んだ食感が楽しい。結構お腹に溜まるので、オヤツとして食べるなら誰かとシェアしたいところです。

ちなみに、市場の中には他にも美味しそうなものがあります。こんもりと盛られた乾物に…

うず高く積まれたさつま揚げ…

チェー…

…あれ?満腹だったはずなのに、ついうっかり。

お店の名前 Chợ Phan Thiết
住   所 115 Lý Thường Kiệt, Đức Nghĩa, Thành phố Phan Thiết, Bình Thuận
営 業 時 間 08:00~21:00

《バインフラン》Mộng Cầm

ベトナム式プリン「Bánh Flan(バインフラン)」。フランス植民地時代に伝わり、その後ベトナム風に少しずつ変化していった、ポピュラーなデザートです。そんなバインフランの名店がここ、ファンティエットにあります。

それがこちらの「Kem Flan Mộng Cầm」。店名は、ベトナムの女性詩人「モン・カム (Mộng Cầm)」に由来しているそう。上記写真の向かって右側の建物は、彼女が生前暮らしていた家だったとのことで、大変レトロな趣きがあります。

ベトナムのバインフランは通常小さな容器にプリン液を注いで作られますが、こちらのお店では1個の大きなボウルでプリンを作り、それを6つに切り分けます。なんと、ボウルサイズのプリンも販売しているらしく、これはまさしく、誰もが夢見たバケツプリンに近いものがある。

そんな、「Mộng Cầm」のバインフランがこちら。価格は35,000ドンと、ファンティエットの水準から見ると少しお高めですが、その分サイズが大きく、また、ケーキをカットしたような形が新鮮な気持ちにさせてくれます。

卵黄の味がしっかり感じられる、素朴で飾り気が無いながらもほっとする昔ながらのプリン。ベトナムスイーツにしては珍しく過度な甘さは無く、カラメルソースは上品なほろ苦さです。

外側の部分が少し固いのもまた一興。

お店の名前 Kem Flan Mộng Cầm
住   所 394 Trần Hưng Đạo, P, Thành phố Phan Thiết, Bình Thuận
営 業 時 間 08:30~22:00

《バインミー》Bánh Mì Chờ

ベトナム全土で食べられているファストフードであり、今さら説明不要なベトナム式サンドイッチ「Bánh Mì(バインミー)」。

夜限定で、「炭火焼きバインミー」を販売する屋台が出現するとのことでやって来たのですが…。

…居ない

で、周囲を探し回ったのですが結局見つからず。記事タイトルに偽りありで申し訳ナイス!

まあ、屋台ということでゲリラ的に営業している可能性もあるでしょうから、祝日(メーデー)であるこの日はお休みだったのかもしれない。残念。

お店の名前 Bánh Mì Chờ
住   所 37 Đường Trần Quốc Toản, Đức Nghĩa, Thành phố Phan Thiết, Bình Thuận
営 業 時 間 18:00~26:00

《フォー》Phở Bò My My

「日本人的・二大ベトナムフード」を挙げるとするならば、選ばれるのはほぼ確実にバインミーとフォーでしょう。ということで、バインミーがダメだったのなら、その片割れ・フォーを食べに行こう(どういう理屈なのだ)。

一見、よくある小さなローカル食堂のこちら「Phở Bò My My」。どうやらインフルエンサーがSNSで紹介したようで、口コミの中には「TikTokを見て行きました」というものも。

ここは南部なので、扱うフォーは「Phở Bò(牛肉のフォー)」のみ。牛肉の部位を細かく選べるのも南部フォーの特徴ですね。私は薄切り肉が好きなので、「Tái(タイ)」一択でございます。

また、メニューの「Món Thêm(エキストラトッピング)」を見ると、フォーだけではなくミニサイズのフーティウやインスタント麺を扱っている模様。また、「Soup Trứng(卵スープ)」なんてものも。

卵スープは、小椀に取り分けてフォーのスープに生卵を浮かべたものみたいですね。家族連れのお客さんが子どもの食事としてインスタント麺と一緒に注文していました。

Phở Tái(薄切り牛肉のフォー)」の「Tô Nhỏ(小サイズ)」を注文。価格は35,000ドン。お茶は無料です。タダ茶、嬉しい。

なにやら、タッパーに入っていたタレを小皿に取って出してくれました。刻んだレモングラスがたっぷり入ったサテ(ベトナム風ラー油)。フォーに入れて味変して良し、具材にちょっと付けて食べて良し、といったところかしら。

南部らしくほんのり甘いスープ、ですが、ホーチミン市で食べるものほど強い甘さはなく、スッキリとしたお味でした。

お店の名前 Phở Bò My My
住   所 110 Trần Phú, Đức Nghĩa, Thành phố Phan Thiết, Bình Thuận
営 業 時 間 15:00~25:00
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《ミルクティー》YU Sugar

最後は、チェーン店なので厳密にはローカルフードでは無い…のですが、ホーチミン市では見ないお店なのでついでにご紹介。

それがこちらの、ミルクティーを中心としたドリンクを販売するスタンド「YU Sugar」。店内飲食スペースも備えます。

YU Sugar」はベトナム南部で複数店舗を展開するチェーン店。ホーチミン市郊外にも店舗はあるものの、基本的にはブンタウを中心とした地方都市に出店しています。

驚くべきはその価格。多くのドリンクが3万ドン前後であり、一番高いものでも35,000ドンです。しかも、ドリンクのラインナップもバラエティ豊かで個性的ですよね。持ち帰り専門店では無いカフェでこの値付けはかなり頑張っており、そりゃホーチミン市にはなかなか出店できない(利益出ないから)よなあ、という感じ。

カフェスペースはこちら。…まあ、あんまり「映え」って感じではないですが、少なくともエアコン・コンセント・Wi-Fi完備です。

Khoai Lang Tim Royal Violet33,000ドン。黒糖タピオカ紫芋ラテ…って感じ?これだけ量たっぷりでこの価格とは。

底に紫芋ペーストが溜まっているので、かき混ぜながらいただきます。タピオカは調理したてだったのかまだ温かく、柔らかくもちもちしていました。それにしても、久々にタピオカなんて食べたなあ…。

お店の名前 YU Sugar
住   所 11 Lê Hồng Phong, Phú Trinh, Thành phố Phan Thiết, Bình Thuận
営 業 時 間 06:30~22:00
Facebook 公式サイト

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