無骨で飾り気のない、機能美を追求したデザインが特徴の「インダストリアルスタイル」。
元々は工場や倉庫として使われていた建物を再利用したような、インダストリアル(工業的)な雰囲気を活かしたスタイルで、近年カフェやレストランなどでも人気があります。
今回は、そんな個性派カフェをご紹介。無骨な外観と緑豊かな内装のギャップが楽しい、ホーチミン市10区の「UNDERHOOD KAFE」を紹介します。
「UNDERHOOD KAFE」の場所・外観

10区北西部・ドンナイ (Đồng Nai) 通りにやって来ました。ホーチミン市のお隣・ドンナイ省と同じ綴りですね。

こちらが「UNDERHOOD KAFE」の外観。まるで建築現場のような見た目です。無骨な素材感と手書き風の店名ロゴが組み合わさったそのさまからは、個性的なカフェであることが既に伝わってきます。

黒一色の外壁とドア。ここだけ見れば、バーやクラブの入り口のような重厚な雰囲気。開けて足を踏み入れると…。
「UNDERHOOD KAFE」の内装

中に広がっていたのは、観葉植物による一面の緑。工事現場のような工業的な外観からは想像できないまさかの光景に、驚きを禁じえない。

天井の配管やダクト、壁のコンクリートなどが剥き出しになったような無機質な空間と、豊かな緑とのギャップに意外性があり面白い。また、天井が高く開放的な構造となっており、ゆったりとした空間です。

客席は、背の低い折りたたみ椅子と小さなテーブルによるものがメイン。緑溢れるインテリアも相まって、まるでアウトドア気分。自然の中でチェアリングに興じているような感覚に浸ることができます。コンセントは至るところにあるので、パソコン作業なども可能。

来る4月30日の南北解放・祖国統一50周年を祝うため、店内はたくさんの国旗で明るく飾り付けられています。ここ最近、内装や飲み物のカップにベトナム国旗をあしらったカフェが数多く見られ、人々の愛国心をかき立てています。

グループでもゆったり座れる大きなテーブル席もあります。インダストリアルスタイルに合わせた、無機質な金属製の椅子とテーブル。

ソファ席もあります…が、人気ですね。やっぱり皆、座りやすいほうがええんやな、って…。

小グループの若者やカップルが集まる隠れ家カフェ、だと思っていたのですが、客席数がそこそこにある大箱のカフェということもあって、ファミリー層や大人数のグループも多く見られました。静かな雰囲気を想像していると面食らうかもしれませんが、賑やかな雰囲気を求めるのであればおすすめ。

なお、店内は半屋外ということもあり、喫煙可。百歩譲ってそれは良いのだけど(出来れば分煙してほしいですが)、吸殻があちこちに落ちているのはなんだかなー、というカンジ。
「UNDERHOOD KAFE」のメニュー

「UNDERHOOD KAFE」のメニューはこちら。英語表記・写真付きで、外国人にも優しい。
オーソドックスなコーヒー・ミルクティー・フルーツティーに加えて、「モカミントクリーム」「アメリカーノオレンジソーダ」などのスペシャルなラテ、カラフルなスムージーなど、あまり他のカフェでは見られないような珍しいドリンクが多く、面白い。


ケーキやクロワッサンなど、ペイストリー類も扱います。

また、カフェ入り口には、刈包(台湾バーガー)やXôi (おこわ)、点心を販売するお店も併設されています。外部からの飲食物持ち込みは出来ないようですが、併設されているお店で購入したものなら、カフェ内で食べることも可能でしょう。
抹茶ラテ&クロワッサンを実食

「Matcha Latte」59,000ドンと、「Almond Croissant」39,000ドンを注文しました。
まだまだ留まることを知らない抹茶ブーム。こちらのカフェでも抹茶ラテを発見したので注文してみた…のですが、薄い。氷で薄まっている、ということもあるのですが、そもそも抹茶をケチっている感。とは言え、59,000ドンと安価なドリンクなので、それを加味すれば妥当かな。使われているフレッシュミルクは加糖のものです。

大きなアーモンドクロワッサン。ただ、サクサクした食感もふんわりした食感も香ばしさもバター感も無く、あえて言うなら「ぼわぼわ」した、空気を多分に含んだ食感。提供されるまで少し間があったので、リベイクしてくれているのかと思ったのですが、特にそれも無さそう。こちらも安価なので、気軽な気持ちでいただく分には全く問題ありません。

そして、あっという間に満席ですよ…。時刻にして11時前くらい。座席を探す人たちからの視線が痛くなってきたので、そろそろお暇しましょうかね。

個性的な外観であるものの、緑がたっぷりで、のびのびと過ごせるカフェでした。喫煙可であることは要留意。