ベトナム南部。ホーチミン市中心部から車やバス、高速船で約2時間ほどの距離にあるビーチリゾート「ブンタウ (Vũng Tàu)」。
そのブンタウに、2025年9月、全く新しいランドマーク「タムタンタワー (Tháp Tam Thắng)」が誕生しました。既に多くのベトナム人がSNSに写真を上げており、早速フォトスポットと化している様子。
そんな、令和最新最強映えスポットを見に行ってきましたよっと。

タムタンタワーがあるのは、ブンタウで最も賑やかな「バックビーチ (Bãi Sau)」の目の前。ビーチ沿いの公園に突如として現れる、無数の白い柱の集合体。それがタムタンタワーです。

バックビーチでは大規模な改修・美化工事が行われており、その一部が2025年9月に完成したのですが、そこにタムタンタワーも含まれています。

参考までに上記の写真は、2025年4月に近隣ホテルのルーフトップから撮影したもの。

「タムタン」とは「三つの勝利」を意味し、19世紀にこの地を開拓した3つの村の名前に由来しています。タワーのデザインは、その歴史を背景に「大海原へと乗り出す3隻の船」がモチーフ。海に向かって高くなるように配置された大小143本の柱が、未来へ向かうブンタウの力強い姿を象徴しているかのよう。

なにはともあれ、まずはその大きさに圧倒されます。最も高い柱は30メートル以上あるとのことで、柱の間を歩くと巨大な神殿に迷い込んだような気分に。表面には真っ白なモザイクタイルがびっしりと貼られており、太陽の光を浴びてはギラついている。

若者やカップル、家族連れが思い思いのポーズで写真撮影に興じており、すでに街一番のチェックインスポットになっているようで。

人が集まるところに行商人、フリーのカメラマン、そしてパフォーマーあり。全身に銀粉を塗布し銅像のように静止しています。

…が、移動するように声をかけられて素の人間に戻るパフォーマーたち。
銀色のペイントは、彼らの個性や人間性を覆い隠す仮面(ペルソナ)であり、これは私たちが社会で「会社員」「教師」「親」といった役割を演じている姿に似ています。
声をかけられて素の人間として動き出す瞬間は、演じていた役割が剥がれ落ちる瞬間。「像」は消え、そこにいるのは一人の「人間」になる。これは、私たちが社会において演じている役割がいかに脆く、外部からの些細な介入で一瞬にして崩れ去るものであるかを象徴しています。
私たちは皆、このパフォーマーのように、役割と素の自分との間を行き来しながら生きている…彼らが伝えたかったのはまさにこのことであり、それを含めてのパフォーマンスだったのでしょう(絶対に違う)。

なお、タワーの下にスターバックスの出店が予定されているようで、スタッフを募集していました。ブンタウでは初のスタバとなります。

整備されたてのピカピカの歩道ですが、よく見ずともゴミや煙草の吸い殻があちこちにポイ捨てされておりげんなり。最近、秩序悪いよね(秩序は「良い」「悪い」の話ではありません)。

日が沈むと、広場はエンターテイメント空間へと姿を変えます。夜7時頃になると、143本の柱がピンクや青、紫といった色とりどりの光でライトアップされ始め、あたりは一気に幻想的な雰囲気に。

タワーの前では光に合わせた噴水ショーがスタート。色とりどりの光を浴びた水しぶきが夜空に舞い上がります。子供たち、大はしゃぎ。

周りでは、家族や恋人たちが階段に腰掛けてショーを眺めたり、夜風に吹かれながらおしゃべりに興じたり。この開放的でピースフルな夜の雰囲気もまた良いですね。

なお、再開発に伴い、屋内型の休憩所も建設されました。巻き貝をモチーフにした形状の建物が特徴です。

インペリアルホテル前の歩道橋から露光撮影。

ホーチミン市からの週末旅行の際には、ぜひこの新しいランドマークを訪れてみてくだされ。昼の壮大さと、夜の幻想的な美しさ、両方を体験するのがおすすめ。