ベトナム南部の商業都市・ホーチミン市に位置する「タンソンニャット国際空港」。
ベトナムで最も利用者の多い空港であり、国内外を結ぶ重要なハブ空港ですが、それ故に年間の旅客数は、今や設計時の想定人数を大幅に超過。慢性的な混雑が問題となっていました。
そこで、混雑の緩和を目的として建設されたのが新国内線ターミナルである第3ターミナル(T3)。T3の完成によりタンソンニャット国際空港の年間旅客処理能力は現在の3,000万人から5,000万人に増加すると言われています。
T3は2025年4月19日に開業し、同年5月17日より、ベトナム航空の全国内線が第3ターミナルに移管。さらに同年8月中には、ベトジェットエアを除く全国内線が第3ターミナルに移管されます(ソース)。
本記事では、タンソンニャット国際空港・第3ターミナルへのアクセス方法、ターミナル間シャトルバスの乗り方、第3ターミナルの様子をご紹介します。
【追記】2025年8月時点の情報にリライトしました。
新国内線・第3ターミナル(T3)について
タンソンニャット国際空港では、これまで国際線(T2)と国内線(T1)の2つの旅客ターミナルが運用されてきましたが、慢性的な混雑の緩和を目的として、2025年4月19日に新たな国内線ターミナル(T3)が開業しました。

第3ターミナルは総工費11兆ベトナムドン(約608億円)で2022年末に着工。年間で2,000万人の旅客を処理できるとのこと。
立地について、既存の国内線・国際線ターミナル(T1とT2)は隣接していますが、T3は他の2つと距離があるため、移動にはターミナル間を結ぶシャトルバスを利用することになります。
5月17日より、ベトナム航空の全国内線が第3ターミナルに移管されたほか、8月18日からはバンブーエアウェイズ、同19日からはVASCO・パシフィック航空、同21日からはベトラベル航空もT3に移行。
残されたベトジェットエアについて、当初はT3への移管を予定していましたが、計画を変更してT1での運航を継続するようです。
第3ターミナルへのアクセス方法

ライドシェアサービスの「Grab」「Be」、およびEVタクシーサービスの「Xanh SM」では、第3ターミナルを目的地として指定することが可能です。

下車ポイントは、こちらの出発ターミナル。最上階が出発口というのは国際線(T2)と同じですね。

「GrabBike」などのバイクタクシーでもT3へアクセス可能。「Grab」「Be」では、バイクタクシー専用の乗車 / 降車ポイントを指定できることを確認しました。

実際に「GrabBike」でアクセスしたところ、空港裏の立体駐車場出入り口のところで降ろされました。

公共交通機関(路線バス)でのアクセスは現状不可。ただし、先述の通り、ターミナル間を結ぶシャトルバスが存在するので、路線バスでT2にアクセスしてからシャトルバスでT3へ移動…ということも、一応は可能です。
各ターミナルを結ぶシャトルバス

それでは、ターミナル間を結ぶ連絡シャトルバスをご紹介。シャトルバスは、ベトナムに縁がある人間であれば誰でもその名を知っている地場系巨大コングロマリット・ビングループが手掛けるEVバス「VinBus」による運行。運賃は無料です。
スケジュールは15~20分間隔で、午前4時30分から深夜12時35分まで運行するとのことです。移動の過程で空港周辺の公道を走行するため、特に朝と夕方のラッシュアワー時の交通渋滞には留意しておきましょう。
シャトルバスのルートは、T2(国際線)→T1(国内線)→T3(新国内線)→T2(国際線)… となっています。
国際線・第2ターミナル(T2)乗車口

第2ターミナルでのシャトルバス乗車場所は、空港バスなのに旅行者には分かりにくいことでお馴染み109番などの路線バスの出発場所と同様。到着口を出て、横断歩道を1回渡ったところですね。

T2でしばらく停車したのちに発車するので、バスに乗車して待っておきましょう。
国内線・第1ターミナル(T1)乗車口

第1ターミナルでの乗車場所はこちら。

大きく「BUS STOP」という看板が掲げられているので分かりやすいですね。ただ、T2もそうですが、シャトルバスの案内が一切無いというのが解せない…。
新国内線・第3ターミナル(T3)乗車口

そして、新ターミナルである第3ターミナルの乗車および降車場所はこちら。1階の、ずらりとタクシーが並ぶエリアの一角に停車します。ちょうど「18A」または「19A」の柱のあたりですね。

近隣にはエレベーターまたはエスカレーターがありますので、到着したら上階の出発ターミナルへと移動しましょう。
シャトルバスに乗ってみよう

それでは、試しに国際線の第2ターミナルからシャトルバスに乗ってみましょう。バスの中でしばし待機。

出発しました。そしてすぐに国内線・第1ターミナルに停車。T1での停車時間は短いので、ここから乗るつもりの方は注意。

そして一度、空港の敷地から出て、公道を走ります。まずは空港前の大通りである、チュオンソン (Trường Sơn) 通りを南下。

右折し、ハウザン (Hậu Giang) 通りを進みます。道は狭いわ歩道は未舗装だわで、一気にローカル感が溢れてきたな…。「空港のターミナル間を結ぶシャトルバス」から見える光景には思えない。

さらに左折し、タンロン (Thăng Long) 通りへ。

ファントゥックズイエン (Phan Thúc Duyện) 通り。ようやく開けた通りに出ました。

18E通りという簡素な名の通りを経て、ようやく第3ターミナルへと到着。いや、結構遠いな!?
地図だけだと、T1・T2と隣接は無いにしても徒歩圏内かと思っていたのですが、一度公道に出る関係上、かなり離れています。
3階:出発ターミナル(Departure)
出発ロビー

それではいよいよ、空港の内部をご紹介。まずは真新しさ漂う出発ターミナルから。

なお、記事時点ではベトナム航空便しか運航されていない関係上、ベトナム航空のチェックインカウンター側のゲートのみが開放されています。

ターミナルに隣接するようにして、ホテルやショッピング施設、飲食店街などが開業するようです…が、いつになることやら。一応、ガワは完成しつつあるように見えますが。

そしてこちらが、出発ターミナルの内部!

曲線を活かしたデザインが美しいですね。これは、ベトナムの伝統衣装・アオザイからインスピレーションを受けたとのことで、自然光を屋内に取り込みながら、重層的な美しさを生み出す狙いだそうです。

古いが故に天井が低く閉塞的な第1ターミナルに比べると、開放的で良いですね。旅への気分を盛り上げてくれます。

チェックインカウンターは11から99までの、数にして計90、搭乗ゲートは計26を備えるようです。

と、言いつつ、ベトジェットエアが移管されていない関係上、現在運用されているチェックインカウンターは全体の約半分なのですが。

運行スケジュールを見ると…おお、見事にベトナム航空便ばかりです。特にハノイ〜ホーチミン線はドル箱路線ということもあり、ほぼ30分間隔で運行されているわけですが、ハノイ便がT1から移っただけでも混雑は緩和されるのかな?

がら空きの空港、きっと今のうちしか見られない光景だな。この辺りのチェックインカウンターは、将来的には他航空会社が使用するのでしょう。

誰も居ないトイレ。当然、真新しく綺麗です。

奥には売店やカフェもありますが…制限エリア内と変わらない値段だと思われるため、後述する1階のチェーン系カフェにでも行ったほうが良いかもしれない。

なお、開業当初は飲食店がオープンしていなかったからか、お水を無料で配布していました。
制限エリア

続いては、制限エリア内のご紹介。計26の搭乗口を備えます。真新しい建物の匂い、飲食店から香るベトナム料理のエスニックな匂い、アパレルショップの前から漂う香水のいい匂い…うーん、テンション上がりますね。


カフェならびに軽食のお店。ペットボトル飲料なども購入可能です。


ペットボトルの水(Aquafina)が20,000ドン、清涼飲料水が30,000ドン〜といったところ。ご参考まで。エビアンの価格は確認していませんが、輸入品なのでかなりお高いと思います。

「Trà đào (M)(ピーチティー)」80,000ドンと、「Bánh danish nho(レーズンデニッシュ)」41,200ドン。飲み物はまあ、空港価格といった感じですが、ペイストリーは意外にも市中のカフェと変わらない値段。

他には、お土産屋に加えて、奥にはレストラン街も。

フォーレストラン。価格は大体1杯13〜14万ドン程度から。看板メニューは「Phở bò Wagyu đặc biệt(和牛スペシャルフォー)」で、価格はなんと485,000ドン。


こちらもフォーレストラン。蓮をフィーチャーしたフォーが売りらしく、蓮根などがトッピングされています。気になる…というか普通に美味しそうだ。

ラウンジは上階です。

利用できるラウンジは上記の通り。
2階:到着ターミナル(Arrival)

2階は到着口。ただし、タクシーやシャトルバスに乗車するためには、さらに下階へと移動する必要があります。特に見るべきものもないので、とっととエレベーターやエスカレーターで下りてしまいましょう。

いくつか車が停まっていますが、ほとんどが青いナンバープレート(政府関連)または赤いナンバープレート(軍隊関連)の車両であり、関係者車両以外は進入できないものと思われます。
1階:到着ターミナル・タクシー乗車口

タクシーおよび連絡シャトルバスの乗車ポイントである1階。ビナサン (Vinasun) タクシー、マイリン (Mai Linh) タクシー、Xanh SMといったタクシー群がずらりと並び、列を成しています。これらはいずれも安心して利用できるタクシー会社なので、ご心配なく。


こちらのエリアは、「KATINAT」「TRUNG NGUYEN LEGEND」「CONG CAPHE」などといった有名チェーンのカフェや飲食店もあります。時間をつぶす必要ができたときも安心。
T3のGrab乗車ポイント

Grabを含むライドシェアサービスの乗車ポイントはこの奥にある立体駐車場。

この、「Grab」や「Be」などの立て看板がある一帯がピックアップポイント(乗車場所)である模様。ドライバー側もまだ新ターミナルに慣れていないことが予想されるので、自身の現在位置をメッセージで伝えるなど、適宜コミュニケーションを取るのが良さげです。
第3ターミナルからのGrabの乗り方について、詳細は上記の記事も併せてご確認ください。
まとめ

タンソンニャット国際空港の新国内線・第3ターミナル(T3)について、2025年8月時点の状況をご紹介しました。


ベトジェットエアを除く全国内線の移管に伴い、今後T1で運航される国内線は、ベトジェットエアの1社のみとなります。
つきましては今後、国内線を利用する場合、自身の搭乗する便がT1発なのかT3発なのか、十分に確認しておく必要があります。もしターミナルを間違えた場合、混雑時であれば移動に20〜30分かかることも想定されるため、注意しましょう。
何にせよ、新ターミナルの運用は、当面のあいだは目まぐるしく変化するものと思われます。もし利用を予定されている方が居ましたら、ベトナムメディアによるニュースにも目を通しておくことを推奨します!
【参考情報】
- A closer look at Ho Chi Minh City airport’s new terminal before it comes alive (VNEXPRESS International)
- Vietnam Airlines delays full transfer of domestic flights to HCMC new terminal (VNEXPRESS International)
- VinBus vận hành tuyến buýt điện độc quyền kết nối ba nhà ga sân bay Tân Sơn Nhất (Tiền Phong)
- Tan Son Nhat airport’s new T3 Terminal to host 5 domestic carriers from mid-August (Tuổi Trẻ News)