先日、ベトナム南東部・ビントゥアン省の省都「ファンティエット (Phan Thiết)」と、ファンティエットから高速船で2時間半のところにある離島「フークイ島 (Phú Quý)」へ行ってきました。
ホーチミン市とファンティエット間の移動手段は、高速バスもしくは統一鉄道の2択。近年、高速道路が整備されたこともあり、バスであれば片道最短3時間で移動できます。と、いうことで個人的にはバスがおすすめ。
いつもであれば、ブンタウへ行くときに愛用している「Vie Limo」を利用するところですが、今回は戯れに初めてのバスサービスを使ってみましたよ。
本記事では、日系資本も関わる、ホーチミン市とファンティエット・ムイネーを結ぶバスサービス「MexBus」をご紹介します。
「MexBus」の概要

今回紹介する「MexBus」は、ホーチミン市に拠点を置く「Saigon.PT」が展開するバスサービス。現時点では、ホーチミン市からファンティエットを経て、ビーチリゾートとして有名なムイネーを結ぶ路線のみを提供しています。

オフィスがあるのは、1区・コーザン (Cô Giang) 通り。

「Saigon.PT」は、日本で各種の交通・観光事業を手掛ける、みちのりホールディングス(みちのりHD)とベトナム企業との合弁会社…ということで、実は日系の資本が絡んでいるのですね。みちのりHDは産業再生機構がルーツであり、バス会社や湘南モノレール等を次々買収してきたことで、近年大きな存在感を示しています。

昨年2024年から運行が開始された、ホーチミン市内の中心エリアで観光客などを輸送する7人乗りの電動バギー「MexBuggy」。こちらの事業も「Saigon.PT」が行っています。
「MexBus」のチケット予約

チケットの予約について、私はベトナムで主流の電子決済アプリ「MoMo」から予約したのですが、公式サイト上からの予約も可能です。


言語はベトナム語と英語から選択可能。英語化しても、地名など一部はベトナム語のままですが。支払いはVNPAY(QR決済・在住者向け)の他にも現金が選択できるので、ベトナム国内での電子決済手段を持たない人に対しても優しいですね。
運賃は、片道300,000ドン。金額は、公式サイトからの購入でも、MoMo経由の購入でも同じでした。
「MexBus」乗車の流れ

乗車当日、出発地点である「MexBus」のオフィスに向かいます。バックパッカー街である「ブイビエン (Bùi Viện)」エリアから徒歩圏内。

なお乗車前日には、「Zalo」でリマインド連絡がありました。

オフィスに到着したらチェックイン。また、その際に下車ポイントをどこにするかを聞いてくれるので、ホテルの住所等伝えましょう。てっきり、ファンティエットではバスターミナルで降ろされるものだと思っていたので、コレは嬉しい誤算。

広々とした待合室。


コンセント・無料Wi-Fiあり。

飲み物、お菓子、カップ麺などあり。

定刻通りにバスがやって来ました。

簡素なバス車内。これ、実は連絡バスであり、これでファンティエットまで行くわけでは無いのですが、この時点ではそれを知る由もなく。「あれ、思ったよりしょぼい…?」と戸惑いを隠せないながらも、「まあ、3時間半ならこれでも耐えられるか…」と流されるがまま乗車。

ネットにゴミが放置されていたのはいただけませんわね。

さて、この日は4月30日。そう、ベトナム南北統一50周年式典の本番でした。そのため、道路は大混雑。セレモニーの様子はニュースやらSNSの投稿で見ていましたが、良くも悪くも規格外で、ベトナムスゲエな…となりました(※言葉を濁した)。

なかなか車が進まない中、ホーチミン市郊外のガソリンスタンドでバスが停車し、皆がぞろぞろと下車し始めました。なんだなんだ?

どうやら、こちらがファンティエットおよびムイネーへと向かう、正真正銘のリムジンバスのようです。なんだ、先に言ってようー。
「MexBus」車内の様子

えっ、すごいすごい。車内、めちゃ豪華です。

シートは3列で、余裕があります。各座席にタブレット付き。YouTubeを観たり、自分のスマホ画面をキャスト(投影)したりすることが出来ます。

PD規格のUSBポートと、QC規格のUSBポートをそれぞれ備えます。

リモコンでリクライニングを操作可能。

そしてなんと、タブレットは日本語対応。日系企業が関わっているとは言え、日本人旅行者・在住者ともに減少して日本人全体のプレゼンスが弱まっている中、ここまでやってくれるとは。

道中、トイレ休憩が1回あります。ここ、ドンナイへグランピングに行ったときも立ち寄ったな…(※そのときの記事)。

ファンティエット市街地に着いたタイミングで、ファンティエットが目的地の乗客はバスから下車。バス会社が手配してくれた車でホテルまで送迎してもらえます。
なおこの日、通常であればホーチミン市から3時間半のところ、6時間かかりました。倍…!
まあ、これはバス会社の非ではなく、よりによってベトナムの国家威信をかけた、ここ数年で最も重要な日に出かけてしまったのが悪いのですが。
ファンティエットから乗車する流れ

そして帰路。ファンティエットから乗車する場合、「ファンティエット南バスターミナル」が乗車ポイントとなります。

…と思いきや、バス会社からZaloで連絡があり、「バスターミナルの隣のガソリンスタンドに停車する」とのこと。まあ、何らかの大人の事情があるのだろう…。

なお、バスは定刻よりも15分ほど早くやって来ました。そのため、チケットの注釈にもある通り、30分前には現地に到着しておくのが安心。

トイレ休憩は1回だけあります。また、往路と同様に、ホーチミン市郊外で1区オフィスへの連絡バスへと乗り換えることになるので、注意しましょう。
まとめ&「MexBus」の施設情報
「Saigon.PT」が展開するバスサービス「MexBus」の、ホーチミン市〜ムイネー路線についてご紹介しました。
途中での乗り換えなど、事前に知らないと戸惑うこともありましたが、タブレットやリクライニング機能を備えた最新のリムジンバスはやはり快適であり、往路でのホテル送迎サービスも便利でした。
ホーチミン市からファンティエットまたはムイネーへの旅行を予定されている皆さんの参考となれば幸いです。