2005年に日本人夫婦がカナダ・バンクーバーで一台の屋台から始めたホットドッグ専門店「JAPADOG」。「てりマヨ」や「お好み焼き」といった和のテイストを大胆に取り入れたホットドッグが人気を博し、今や北米を中心に店舗を展開する有名店となりました。
そんなサクセスストーリーを体現する「JAPADOG」が、どういうわけか東南アジアに初進出。そしてその記念すべき地が、ベトナム・ホーチミン市であるというわけ。
本記事では、2025年6月にオープンした、カナダ発・日本式ホットドッグ専門店「JAPADOG」のベトナム1号店をご紹介します。
「JAPADOG」の場所・外観
いやー、住所、変わりましたね。7月1日に行われたベトナムの大合併、まさかホーチミン市内から「区」が消えるとは思いませんでした。

と、いうことでやって来たのは、タインミータイ (Thạnh Mỹ Tây) 街区(旧ビンタイン区第25街区)のグエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 通り。
…しばらくは旧住所も併記するスタイルで行きます。「X(旧ツイッター)」みたいな感じで。

このあたりは周辺に大学が多く学生街として知られているようです。若者たちのエネルギーで満ち溢れ、飲食店やカフェがひしめき合う激戦区。ローカル感の強いエリアですが、1号店の場所としては良いチョイスなのでは。

JAPADOGの店舗は一瞬で「あ、ここだ!」とわかるほどの存在感。カナダ国旗、または鳥居を彷彿とさせる、鮮やかな赤色を基調としたコンテナ風の外観はとにかく目立ちます。

お店の前にはJAPADOGの原点である屋台が。時間帯によってはここでも販売が行われるのかな?
なお、隣の隣は「松屋」のベトナム2号店です。このエリア、日系の飲食店が盛り上がりを見せておる。
「JAPADOG」の内装・雰囲気

お店に一歩足を踏み入れると…外観のイメージを引き継いだ、赤・白・オレンジを基調としたスタイリッシュな空間。

店内は奥に長い造りで、壁際にはソファ席、通路を挟んでテーブル席が配置されています。壁には光沢のある赤いタイルや温かみのある白いレンガが使われており、ポップな中にも落ち着きのある雰囲気。なお、客席は1フロアのみです。

注文はカウンターだけでなく、入り口すぐのタッチパネル式券売機でも可能であり、人見知りにも優しい。キャッシュレス決済のみ対応です。というか、「松屋」で使用されているのと全く同じシステムですね、これゎ…。

カウンター奥はオープンキッチンになっており、香ばしい匂いが食欲を刺激します。調理の様子が間近で見られるのは、ライブ感があって楽しい。


壁面で特に目を引くのが「Celebrities」のコーナー。JAPADOGを訪れた有名人の写真がずらりと飾られています。お笑い芸人のカンニング竹山氏まで。
「JAPADOG」のメニュー


「JAPADOG」のメニューはこちら。
中心となるホットドッグは、「TERIMAYO(てりマヨ)」や「OKONOMI(お好み焼き風)」、「YAKISOBA(焼きそば)」など、日本のソウルフードから着想を得ている感じ。
さらには「TONKATSU(とんかつ)」を丸ごと挟んだものまであり、その発想力に脱帽。ソーセージは定番の「あらびき」から「ブラートヴルスト」、「和牛」などが用意されており、メニューによって使い分けられています。
サイドメニューには「たこ焼き」や「から揚げ」といった定番おつまみと並んで、カナダの名物料理「プーティン(フライドポテトにグレイビーソースとチーズをかけたもの)」なんかもあります。カナダ発というブランドアイデンティティを意識してのことか?なお、この日プーティンは売り切れでございました。
実食。ウインナーの個性が強め?

今回は3人で訪れたので、3種類のホットドッグ+サイドメニューを注文。シェアは難しそうだったので、一人につき一品、責任を持って食レポすることと相成りました。では張り切ってどうぞ。

なお、客席エリアには調味料類の設置があり、自由に利用可能。

まずは私の注文した「OROSHI(おろし)」59,000ドン。ホットドッグの上に、こんもりと盛られた大根おろしと刻みネギ。ほどよいサイズであり、食事というよりはおやつにちょうど良さそうです。

ウインナーには、ハーブ香る「ブラートヴルスト」を使用。皮のパリッと感は弱くソフトな口当たりであるものの、ローカルの安ウインナーとは違い、混ぜ物感の無いジューシーで肉肉しい食感。これだよこれ。

爽やかなハーブの香りとおろしポン酢の相性は一見良さそうなのだけど、ウインナーには結構下味がしっかり付いているので、それに少し押され気味かな。
とは言え、大根おろしがホットドッグのこってり感を抑えて、さっぱりとまとめ上げている感じは悪くない。例えるなら、音圧バリバリのギタリストと繊細なベーシスト…みたいな、そんな感じかな…。

なお、パンは柔らかく甘め。ベトナム向けにローカライズした結果なのかと思いきや、北米スタイルのホットドッグだとこれが一般的らしい?日本人的には給食のコッペパンを彷彿とさせるパンですな。ホットドッグのパンを焼く派・焼かない派それぞれ居ると思いますが、こちらのお店は焼かないタイプでした。

今回、胃袋を貸していただいた同行者その①が注文したのは「CILANTRO(パクチー)」59,000ドン。たっぷりのミートソースの上にパクチーが乗った多国籍な一品。濃厚なミートソースの味わいに、パクチーの独特で爽やかな香りが突き抜けていきそうです。
ウインナーは粗挽きタイプを使用。皮のパリッと感も楽しめるとのことです。先ほどの「おろし」とは異なり、ウインナーよりもミートソースの味の方が強かったそう。まあでも、普通のホットドッグもケチャップ味を楽しむために食べてるところあるし(※個人の感想です)、これくらいこってり味のほうが良いんじゃないか。

遅れて駆け付けてくれた同行者その②の注文「AVOCADO」39,000ドン。メニュー写真ではスライスされたアボカドがトッピングされていましたが、実物はチャンクタイプのアボカドを使用。
クリーミーなアボカドと、マヨネーズのまろやかな酸味が、ウインナーの塩気と旨味を優しく包み込んでくれそう…ですが、こちらは完全にウインナーの味が勝っていた模様。いっそのこと、ワカモレトッピングにしてみるのはどうだろう。

サイドメニュー「SHAKED FRIES (M) 」の「Butter & Shoyu」を注文。価格は39,000ドン。2人でシェアしてちょうど良いくらいの量かな。

受け取った瞬間からバターと醤油の香ばしい匂いが漂い、食欲をそそる…のですが、パウダーのかかり具合にムラがあったのが残念かな。もっと、もっと味濃くして!あと、ポテトは揚げてから時間が経っていたのか、ちょっぴりしんなり食感。

ところで、店内にはメニューのポスターが色々と貼られています。

その中でも、私の心を掴んで離さなかったのがこちらのポスター。サンデーに三色団子・たい焼き・ポッキーを荒々しくぶっ刺して「Tokyo Wagashi」と日本の首都を冠する一品…素敵すぎんか?

極めつけはこれ。サンデーにベーコンとメープルシロップをトッピングしたカナダの真髄「Maple Bacon」です。甘じょっぱい組み合わせで、意外に合うかも!?も、もう我慢できん、注文するぞ!

…。
ちくしょうだよ!

と、いうことでサンデーは準備中のようでした。ソフトクリームは注文できたので、そちらをいただくことに。香料が強めの、「ザ・海外のソフトクリーム」といった感じのテイストだった。1個9,000ドンとお手頃なので、デザートにどうぞ。
「JAPADOG」の店舗情報
カナダ発・日本式ホットドッグ専門店「JAPADOG」のベトナム1号店をご紹介しました。
もうちょっとパンにこだわりが欲しいなーとか、準備中・品切れが目立ったのが残念だったなーとかありつつ、この辺りに来たらまた立ち寄ると思います。
周辺のカフェで作業して、小腹が空いたらおやつにホットドッグ、なんて良いかも。あと、ホットドッグ以外も試したいですね。フライドチキン丼とか。