純喫茶のようなアンティーク空間で、こだわりのドリンクと自家製ケーキに微睡む*Enough Coffee@ブンタウ

ブンタウ

ベトナム南部。ホーチミン市から車やバス、高速船で約2時間ほどの距離にあるビーチリゾート「ブンタウ (Vũng Tàu)」。

海岸線沿いにはそのロケーションを活かしたオーシャンビューの飲食店が軒を連ねる一方で、内陸である街中にも多くの店が立ち並び、決して見逃すことはできません。

中でも刮目すべきもの、それはカフェ。以前ご紹介した「Salt Water」のように、個性的なインテリアのお店がブンタウにはいくつも存在し、カフェ巡りに興じるのにも最適な街です。

本記事では、ブンタウの路地裏に位置する、まるで日本の純喫茶のようなカフェ「Enough Coffee」をご紹介します。

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「Enough Coffee」の場所

朝7時20分のレロイ (Lê Lai) 通り。朝6時半にはホテルの朝食会場入りし、速やかに食事を済ませそのままGrab Bikeでここまでやって来ました。

この日は「フン王の命日」に伴う3連休。どのお店も混雑が予想されるため、朝といえども油断してはならぬ…!という考えのもと、こんな早朝から行動しているわけです。

Enough Coffee」へは、こちらの42番のHẻm (路地裏)に入ります。

案内に沿って進むと、「Enough Coffee」に到着。大通りから一歩入った路地裏に位置することで、隠れ家のような落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

お店の前には大小さまざまな種類の緑豊かな植物が溢れるように配置されており、鉢植えだけでなく、吊り下げられたプランターもあるなど、立体的な緑の空間を演出していますね。赤やピンクの花々が空間に彩りを与えています。

建物自体は無骨ながらもどこか親しみを覚えるのは、瓦のような見た目のトタン屋根だったり平屋造りだったりと、昔の日本家屋を思わせる外観をしているからかもしれません。

「Enough Coffee」の雰囲気

店内に足を踏み入れると…やったー、一番乗り。バリスタのお兄さんが出迎えてくれました。

ちなみに私、しばらくの間ベトナム人だと思われていたようです。ベトナム語の語彙、めちゃ限られてるのに!ローカルブランドの服を着てたからベトナム人っぽく見えたのかも。

内装の特徴としては、多様なヴィンテージ調の家具がミックスされていること。木の質感を活かした、やや使い込まれたような風合いのテーブルであったり、木製、ラタン、布張りなど、様々なデザインの椅子が目を引きます。棚や鏡などの調度品も、年代を感じさせるアンティーク品。

大きな窓からは外の緑がよく見え、外の植物との連続性が感じられる、自然との繋がりを意識した空間であると言えそう。一方で、コンクリート打ちっぱなしのような、無機質なグレーの壁が落ち着きを与えています。

全体的に、内装への拘りは感じられつつも、徒に華美さを求めたりはしていない印象。過ぎたるは及ばざるが如し、これで十分なのだという思いこそが店名の「Enough」に込められたメッセージなのかもしれません。…って、深読みしすぎ!?

よく見ると、日本っぽさを感じるアイテムもちらほらと。オーナーさんもバリスタのお兄さんも日本びいきとのことで、嬉しい限り。この空間自体、日本の喫茶店っぽさがある。

それにしても、ベトナムの皆さんのカオナシ好きっぷりはちょっと異常。

「Enough Coffee」のメニュー

Enough Coffee」のメニューはこちら。ベトナム語・英語併記です。

ホーチミン市だとこのくらいの価格帯も珍しくなくなって来ましたが、地方都市のブンタウでこの価格設定は中々にチャレンジング。「価値の分かる人だけが来てくれたら良い」という意図なのでしょう。実際、口コミの評価の高さを見るに、それが支持されていると考えて間違いなさそうです。

さらに、日替わりの自家製ペイストリーも用意されています。この日は、「Jasmine Longan」と「Semifreddo(半解凍のアイスケーキ)」の2種類。

バリスタのお兄さんは流暢な英語をお話しになります。ゲストとのコミュニケーションを重視しているとのことで、楽しく会話しました。

実食。自家製ペイストリーに微睡む

注文した品がやって来ました。「Matcha Latte85,000ドンと、「Jasmine Longan120,000ドンです。

目に飛び込む鮮やかな抹茶の緑と、ミルクの優しい白のコントラストが美しい抹茶ラテ。無糖であることも嬉しい。砂糖が入っていない分、抹茶の旨味と、ほんのりとした苦味がダイレクトに感じられます。

そして、何と言ってもこちらの「Jasmine Longan」。ジャスミンシフォンケーキにロンガンクリームをトッピングしたものです。ローズマリーと青いエディブルフラワーのトッピングが、ロンガンの爽やかな風味を予感させます。

まず、このケーキ皿が素敵すぎやしませんか…。

深い紫色をベースに、金色の透かし彫りのような装飾が施された、華やかで個性的なデザインで、中央には淡い色合いの花柄があしらわれています。それこそ、日本の老舗喫茶店なんかで使われていそうな、古風で趣あるアンティーク調のお皿。どこで買えるのだろうか。

そして肝心のお味。口に含むと、ジャスミンの華やかな香りが鼻を抜けます。ケーキの食感は、ふわふわというよりは「じゅわっ」としたウェットな感じ。また、ロンガンの自然な甘さとトロピカルな香りがジャスミンティーの香りとマッチしていますね。

クリームにはロンガンの果肉が混ぜ込まれています。時折感じる柔らかい食感が、嬉しいサプライズ。

いやはや、ロンガンの甘さとジャスミンティーの香りの組み合わせはかなり意外でした。お店のSNSアカウントで見ることのできる、他のケーキたちも美味しそう。

その後、徐々に店内が賑わい出し、9時前頃にはほぼ満席に。まあ、そもそも座席数が少ない、小ぢんまりとしたカフェであることも理由だとは思うのですが。

上記には写ってはいないのですが、写真左側のソファ席に座ったベトナム人オンナと外国人オトコのカップルが人目も憚らずチュッチュし始めました。ヤリ部屋ちゃうで!?結局、カップルはさっさと店を出て行ったので、最終的には穏やかな気持ちでゆっくりと過ごせたのですが。

とは言え、客層の民度は全体的に高く(何様だよ)、落ち着いた雰囲気のお客さんが多かったので、基本的には静かにのんびりと過ごせます。もし他にお客さんが居なければ、バリスタさんとのコミュニケーションも是非楽しんでみてくだされ。

「Enough Coffee」の店舗情報

お店の名前 Enough Coffee
住   所 42/12 Lê Lai, Phường 3, Vũng Tàu, Bà Rịa – Vũng Tàu
営 業 時 間 07:00 〜 21:00
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