数多のカフェが存在するホーチミン市。コンクリート打ちっぱなしのインダストリアルなカフェ、レトロなアパートの一室をリノベーションした隠れ家カフェ、歴史を感じる洋館カフェ…。その日の気分でお店を選べるのは、この街に住む醍醐味の一つです。
さてさて、以前ご紹介した、旧1区の古アパートの一室で人気を博していたカフェ「Auvery Café」。記事執筆時点では改装のため一時閉店しているようなのですが、その一方で新たに2号店をオープンしていました。
本記事では、「Auvery Café – Lê Ngô Cát」をご紹介します。
「Auvery Café – Lê Ngô Cát」の場所

旧3区・現スアンホア街区の、レンゴカット (Lê Ngô Cát) 通りへとやって来ました。主要な道路から一本入ったこのエリアは、交通量も少なく緑豊かな並木が続く落ち着いた雰囲気。そして、「Belgo」や「Mùa Craft Saké」といった人気レストランが位置する美食通りでもあります。

そんな中でふと目に飛び込んでくる鮮やかな赤いフェンス。こちらが「Auvery Café」です。
白を基調としたミニマルで現代的な建物と、この大胆な赤のコントラストがおしゃい。フェンスの向こうには青々とした植物が生い茂っているのが見え、素敵な空間が期待できる。

外壁の一部には白い正方形のタイルが使われており、清潔感とデザイン性の高さを感じさせます。古アパートに店舗を構えていた1号店が「知る人ぞ知る隠れ家」だとしたら、こちらの2号店はオープンな隠れ家といった印象(隠れ家とは?)。
「Auvery Café – Lê Ngô Cát」の雰囲気

客席は大きく分けて、開放感のあるテラス席と、落ち着いた雰囲気の屋内席の2つのエリアで構成されています。
半透明の屋根から柔らかな自然光が降り注ぎ、空間全体を明るく照らす屋外席。吊り下げられたシダ系のハンギングプランツや、床に置かれた大きなモンステラなど、多種多様な観葉植物が至る所に配置され、絵になります。

座席のバリエーションも豊か。赤・青・黄のフレームが可愛いアクセントになっているスツール席、温かみのある木製のベンチ、リゾート感を演出するラタンの椅子など、デザインの異なる家具がセンス良く配置されています。こういうの真似したいですね。

あーねこいっちゃうねこ。こちらの階段の上は工事中ですが、将来的には客席エリアになるのだと思われます。

屋内席は…まだ朝8時半頃であるにも関わらず、なかなかの混雑ぶり。1号店はさほど混雑していたイメージは無かったのですが、やはり路面店となると目立つからなのか。
コンクリート打ちっぱなしの天井や床がクールな印象を与えつつも、木製のテーブルや椅子が温かみを添えています。壁に飾られたアートや、柔らかな光を放つデザイン性の高い照明も、空間のおしゃれ度を引き上げている。

目を引くのが、壁に設置された棚のディスプレイ。ピンクのハート型の鏡や可愛らしいフィギュア、手動のエスプレッソマシンなどが並べられています。飾られているものにごった煮感があるものの不思議とまとまりを感じるのは、1号店も同様でしたね。


なぜか日本のエッセンスを感じられるものが多い。

カウンターは客席からよく見えるオープンな作り。スタッフが一杯ずつドリンクを作る様子を眺めることができ、ライブ感も楽しめます。
「Auvery Café – Lê Ngô Cát」のメニュー

「Auvery Café」のドリンクメニューはこちら。以前よりも種類が増えましたね。コーヒー好きに向けた本格的な一杯から、みんなが楽しめるクリエイティブなドリンクまで、多彩なラインナップが揃います。

ペイストリーも種類が増えました。クロッフルは「ティラミスクロッフル」や「ストロベリーバニラクロッフル」といったスイーツ系から、「ハム&チーズクロッフル」という食事系まであり、ブランチにも最適。

その他、レモンケーキやバナナブレッド、クロワッサンといった定番のペイストリーが揃っています。
実食。丁寧に作られたペイストリー

「Genmaicha Latte(玄米茶ラテ)」65,000ドン。上半分が濃い茶色、下半分は玄米茶とミルクの混じった淡いベージュ色に分かれています

軽くかき混ぜると立ち上るのは、玄米茶特有の炒った米の香ばしい香り。一口飲んでみると、その香ばしさとミルクのまろやかさが口に広がります。微糖でリクエストしましたが、結構甘め。
見た目はコーヒーのようですが、味わいはまさしく「和風ラテ」。抹茶のみならず玄米茶を扱うカフェは増えており、既にネクスト抹茶としての地位を盤石なものにしているよう。

「Croissant(クロワッサン)」55,000ドン。こんがりとした完璧なキツネ色に焼き上げられた表面には、粉砂糖が上品に振りかけられています。添えられた小さなピッチャーには、とろりとしたカラメルソースが。その他、ストロベリーソース・コンデンスミルク・あともう一つ何か(ど忘れ)から選択可能です。

フォークを入れると、パリパリという小気味よい音が響き、外側の層がハラハラと崩れ落ちます。口に運ぶと、芳醇なバターの香りが鼻を抜け、内側のしっとり、もちっとした生地の食感も良い。

これは…別添えのソースが無くても良いな。すごく丁寧に作られており、直近、カフェで注文したクロワッサンの中では一番美味しいかも。1号店で食べたペイストリーも美味しかったし、ハズレが無さそうですね。
さて、私が訪れた時間帯は若干混み合いつつあったものの、それでもまだ座席にありつくことはできました。

それが、カフェを出る11時頃には、テラス席も屋内席も満席に。というか、普通にウェイティングが発生していた。相変わらず新しいカフェに対するベトナム人の皆さんの感度は凄まじい。
もし、静かな雰囲気を満喫したいのであれば、早朝または平日に訪れることをおすすめします。マヂで。