「焼肉ファストフード店」を謳う日本発の焼肉チェーン店「焼肉ライク」。おひとりさまをメインターゲットとし、各座席に1台ずつ無煙ロースターを備えることが特徴。短時間でさっと焼肉を楽しめるお店ですね。
2024年8月、ベトナムにも進出し、ホーチミン市1区のショッピングモール「ビンコムセンター・ドンコイ (Vincom Center Đồng Khởi)」に1号店をオープンさせた…のですが、「行ったよー！」という話題を周囲で聞かない。
実際に一度行ってみたのですが、日本で食べたときより肉の質がイマイチに感じました。接客は丁寧だし網も頻繁に変えてくれたりして、サービスは概ね良かったのだけど。
そんな折、地場系飲食グループが日本式焼肉の新業態店をオープンしたとの情報を聞きつけました。内装を見ると、回転寿司のようなカウンター席が中心で、1席につき1台ロースターを備えるなど、これがもうあからさまに「焼肉ライク」ライクだったので、ご報告します。
前置きが長くなりましたが、本記事では、ホーチミン市10区の日本式焼肉店「WOW! Yakiniku」をご紹介します。
「WOW! Yakiniku」の場所
やって来たのは、ホーチミン市10区の大型ショッピングモール「Van Hanh Mall（ヴァンハインモール）」。
Van Hanh Mall内の飲食店、ほとんどがビュッフェまたは食べ放題形式のレストランで、ジャンルも重複しまくっています（人気なのは鍋か韓国料理）。それでもどこも賑わっているのだから、ベトナムの皆さんの食べ放題好きっぷりは凄い。
さて、件の「WOW! Yakiniku」は、こちらの5階にオープンしました。少し奥まったところにあります。
「WOW! Yakiniku」の外観はこちら。日本式の焼肉屋としては珍しい、サイバーな感じの雰囲気です。日本人的には暗褐色の木目調あたりを基調としたデザインにしてしまいそうなところですが、こういった発想の柔軟さは見習うべきところがありそう。
「WOW! Yakiniku」を手掛けるのは、ベトナム地場系の飲食チェーン最大手「Golden Gate（ゴールデンゲート）」。
回転鍋ビュッフェ「KICHI-KICHI」や韓国式焼肉「GOGI HOUSE」、日本式焼肉「SUMO BBQ」の店舗を見かけたことがある人も多いのでは無いでしょうか。都心では主にショッピングモールへの出店が中心ですが、路面店もあります。路面店の場合、系列の飲食店が同じエリアに密集しており、資本の強さを感じさせる。
お店のロゴ。日本語で「ワオ！ 焼肉」とあります。この空白が愛おしい。
キャッチフレーズは「GRILL, DIP, EAT, WOW!」らしい。これ、焼肉ライクの「TASTY! QUICK! VALUE!」の語感をちょっと意識してない？？
「WOW! Yakiniku」の店内
店内最奥に案内されました。「いらっしゃいませ」と日本語で挨拶をされたので、やはりジャンル的には日本食レストランということになるっぽいです。お店の中は、外観から受けた印象の通り、シルバーとビビッドな色のライトを基調とした、スタイリッシュな内装です。
卓上はこんな感じ。若干掃除が甘く、もやもやした気分に。
テーブルの向こうには回転寿司のような所謂直線型レーンがあり、注文したメニューはレーン上をものすごい速さで飛んでやって来ます。
手元には引き出しがあり、その中にカトラリー類があります。
注文は、予め用意されている卓上のバーコードをスマホで読み取って、モバイルオーダーします。
このあたりのシステム、席についたときに一切説明が無かったのですよね。せめて「ご注文はこちらのQRコードを読み取ってからお願いします」の一言くらい必要なのではないか。
「WOW! Yakiniku」のメニュー
前述の通り、注文はモバイルオーダーとなりますが、紙のメニューもあります。青と黄色の差し色が、良い意味で焼肉店っぽくない元気なカラーリングで良いですね。
メニューは、アラカルトと2種類の食べ放題があります。食べ放題の価格は、それぞれ299,000ドンと399,000ドン。
アラカルトにはセットメニューもあり、おひとりさまに優しい。価格は焼肉ライクと大差無いですね。
ご飯セットは45,000ドン。焼肉専用TKG（生卵+韓国海苔乗せご飯）もあり、そこまで焼肉ライクに寄せていくのか、という印象。あれは焼肉ライクオリジナルでは無いけども。
アラカルトメニューの中には、100g590,000ドンのA5黒毛和牛も。誰が食べるんや…。ここで高え肉食べるくらいなら3区の「矢澤」にでも行ったほうが良いと思う。
モバイルオーダーは、システムメッセージはベトナム語・英語と切り替えられるものの、メニューはベトナム語表記のみ。不親切…というよりは、親切が中途半端だな…。
実食！提供方法にテンションが上がる
私の注文した品が、レーンの上をシャーッと滑ってやって来ました。ロボットの中に格納されて提供されるのですが、これはテンション上がる！
「DUO SET NO.3」の200g。価格は139,000ドンです。肉は牛バラと鶏ももの2種類。
肉の質は…まあ、見たまんまですね。バラ肉とは言え脂多すぎやろ…。
ソースなのですが、他の卓を見渡すと卓上に置いてくれているのですが、私の卓には持ってきてくれませんでした。と、いうことで自ら取りに行くことに。ポン酢・ガーリックソース・辛味噌ソースの3種類です。オーソドックスな焼肉のタレが無いのは残念ですが、ポン酢があるのはグッジョブだよ。
とりあえず、焼きまくろう！鶏ももがめっちゃ網にくっつきます。予め充分に加熱したつもりだったのだが…。なお、私が食べている間に網の交換はされませんでした。交換してほしい場合は申し出る必要があるのかも。
焼きすぎました。牛バラをポン酢にくぐらせて白米にON。ご飯は美味しかったです。
鶏ももは、皮を除いてくれていたのが良かったです。辛味噌ソースと合う。
味噌汁はわかめと豆腐入り。きちんと出汁の味も感じられます。焼肉屋の付け合せスープが、わかめスープなどの中華味ではなく、味噌汁というのは珍しいかも？
ただまあ、なんだ…。焼いた肉を食らいたいのであれば、ベトナムへ進出したばかりの松屋で牛焼肉定食 or カルビ焼肉定食を食べた方が良いと思いました。価格もこれより安いし。
まあ、自分で肉を焼く＝エンタメという側面もありますからね。モノ消費よりもコト消費。何やかんやで完食しました。ごちそうさまでした。なお、会計は店員さんを呼び止めてテーブルで行います。
とりあえず、お店の世界観といった雰囲気づくりや、アラカルトとビュッフェそれぞれを用意するなど、光るものも感じられたのですが、肝心の肉の質とサービスがイマイチって感じ。相対的に焼肉ライクの評価が上がったので、あちらも改めて行ってみるかな…。
