ホーチミン市に来たのなら、ぜひ挑戦してもらいたい「古アパートカフェ」。
一見、入ってよいものか躊躇してしまうようなローカルアパート。しかしその奥には、若者たちに愛される、レトロでモダンな素敵空間が広がっているのです。
ベトナムの渋谷ことグエンフエ (Nguyễn Huệ) 大通りのカフェアパートメントがよく知られていますが、古い住居用アパートを改装して作られたカフェは他にも沢山あります。
本記事では、中心部に位置し、観光の合間にも立ち寄りやすい「Cà Rề cafe」をご紹介します。
「Cà Rề cafe」へのアクセス
やって来ました、ベンタイン街区（旧1区）・グエンヴァンチャン (Nguyễn Văn Tráng) 通り。お洒落なカフェやショップがひしめき合う、トレンド発信的なエリア。バインミーの超有名店「Bánh Mì Huynh Hoa」の近くです（まだ食べたことない）。
今回目指す「Cà Rề cafe」が入っているのは、「Chung cư 35 Nguyễn Văn Tráng（グエンヴァンチャン35番地アパート）」。社会主義国らしい無機質な命名がむしろ趣深くてたまらんな…。
建物の外観は、パステルグリーン…というか、塗装が剥げて年季が入った柱が特徴的な、いかにもな古い集合住宅。
グランドフロアは住人や来客用の駐輪場になっており、管理人のおじやん達が談笑しています。不安になるかもしれませんが勇気を出して奥へと進みましょう。
入居しているショップやカフェの看板がずらりと並ぶ。まるで文化祭のようなワクワク感があります。
ありがたいことにエレベーター有り。お店のメインフロアである4階を目指します。使用料なども特に徴収されません。「THANG MÁY CHỈ ĐI ĐƯỢC 06 NGƯỜI（エレベーターは6人乗り）」という警告文もあり、小さなエレベーターです。
4階でエレベーターを降りると、そこは別世界なのだった。深い赤色のタイルとアーチ型の入り口が特徴的なこちらが、「Cà Rề cafe」。
丸みを帯びたドアノブやネオンサインのロゴが、どこか懐かしくもモダンな雰囲気を醸し出しておる。
「Cà Rề cafe」の内装
いやあ、混んでますなあ。建物の前を通りがかっただけでは分からないようなカフェがほぼ満席…というのはよくあること。お店の宣伝手腕も、サイゴンっ子たちの情報感度もすごい。
内装のテーマカラーは、外観と同じく深みのある「赤」。そこに、落ち着いたグリーンが差し色的に配置され、全体的にクリスマスカラーを思わせる温かみのある配色で統一されています。
赤と緑のチェック柄のテーブルクロスもまた、店内のレトロ可愛い雰囲気を決定づけている。
実力派の証「WeChoice Awards」。「Best Z-Eatery & Coffee Location」とやらを受賞したらしく、ベトナムのZ世代から、今行くべきイケてるカフェとしてしっかり認定されているということですな。
バルコニー席（テラス席）もあります。壁の塗装が剥げかけた水色の壁と無造作に置かれた植物たちが退廃美と生命力のコントラストを生み出し、なんとも言えないエモエモな空間を作り出しています。
「Cà Rề cafe」のメニュー
「Cà Rề cafe」のメニューはこちら。価格のレンジは40,000〜69,000ドンと、立地を加味すると大変良心的。これもまた若者から支持される理由か。ベトナムコーヒー、コールドブリュー、ノンカフェインまで豊富です。
クロッフルもあります。ハニーバターやアイスクリーム添えといったスイーツ系はもちろん、「Salted Egg（塩漬け卵）」や「肉でんぶ（Chà bông）」を乗せたしょっぱい系のクロッフルも。これもまた現地の味として楽しめそう。
「Hồng trà dâu Đà Lạt（ダラットストロベリーブラックティー）」、60,000ドン。深みのあるルビー色が美しいアイスティー。
一口飲むと、ベトナムの高原リゾート・ダラットを思わせる（個人の感想です）、甘酸っぱいイチゴの香りが広がります。ストロベリーゼリーもトッピングされており、飲み応え抜群。
なお、こちらの「Cà Rề cafe」、ビルの6階にも店舗を構えているようです。座席はテラス席だけみたいなので、やはりメインはあくまで4階の方ということでしょう。
