ホーチミン市の中でも、ひときわ洗練された空気が流れるタオディエン (Thảo Điền) 地区。欧米を思わせる洗練されたレストランやカフェが立ち並び、多くの人を惹きつけます。
ただ、人気エリアであるがゆえに、週末ともなると有名カフェはどこも満席。もう少し静かに、ゆっくりドリンクを楽しみたい貴方のためにご紹介するのは、そんな願いを叶えてくれる一軒。
タオディエンの静かな路地裏にひっそりと佇むカフェ「Lãng Coffee(ラン・コーヒー)」をご紹介します。
「Lãng Coffee」の場所・雰囲気

タオディエンのメインストリートから一本、さらにもう一本と入った静かな路地の中に「Lãng Coffee」にあります。

路地を歩いていると、洗練されたファサードが目に飛び込んできます。白を基調とした壁に、鮮やかな深緑色の縦長タイル。そして、その隣にはテラコッタカラーの装飾ブロックが大胆に配置。
このオレンジ色のブロックは「bông gió(ボン・ゾー)」と呼ばれるベトナムの伝統的な建材で、「通風ブロック」や「透かしブロック」と呼ばれる代物。日差しを遮りつつ風を通すという、この国の気候に適した合理性と、レトロなデザイン性を兼ね備えたアイテムってワケ。緑のタイルとの組み合わせが上級者って感じでおしゃい〜…。

店先には小さな紫陽花が咲いていました。そろそろ雨季も終わりですね…。

入り口にはベトナムらしい低い木製の椅子とテーブルが並んだテラス席があり、天気の良い日は外でくつろぐのも気持ちよさげ。

客席は1フロアのみ。店内は、白壁と温かみのある木製家具で統一されており、クリーンで落ち着いた雰囲気。

丁寧にドリンクを作る様子を眺められるカウンター席。

ゆったりとくつろげる革張りのソファ席や、おしゃべりに最適なテーブル席が並びます。

私のお気に入りは、屋外の緑を眺められる窓際のアームチェア席。その座り心地や、良し。大きな窓から光が差し込み、まるで自分だけの書斎にいるような気分。
「Lãng Coffee」のメニュー・実食

「Lãng Coffee」のメニューはこちら「JAPANESE STYLE TEA(日本茶)」のカテゴリがやたら充実しています。価格は95,000〜135,000ドンと少々お高めですが、ホーチミンでこれだけ本格的な日本茶セレクションに出会えるのはなかなか貴重では。
さらに、「Kinako Matcha Latte(きなこ抹茶ラテ)」や「Cranberry Matcha Latte(クランベリー抹茶ラテ)」など、面白そうな抹茶ラテもシグネチャーとして並んでいました。
ベトナムコーヒーであれば45,000ドンから注文可能。総合すると「ミドル〜アッパーミドル帯」くらいの価格レベルに落ち着いているのでは。

また、カウンターのショーケースには、クロワッサンやチーズケーキ、パッションフルーツのムースなどのペイストリーも。パンにはあまり惹かれなかったけどケーキはウマそう。ドリンクとセットで楽しみたいですね。

「Kinako Matcha Latte(きなこ抹茶ラテ)」(95,000ドン)をオーダー。木製のトレイに乗せられ、お水、そしてシロップが入った小さなピッチャーが添えられています。シロップが別添えというのはうれしい心遣い。

底には濃い緑色の抹茶、上には真っ白でふわふわの豆乳フォーム、そしてトップには香ばしいきな粉が。

トップのきな粉の香ばしい風味と、濃厚でクリーミーなフォームの滑らかさ。抹茶はキリッとした苦さを持つ一方、奥深い旨味もまた口に広がります。これはまさしく日本産抹茶。
今回はシロップは使いませんでした。抹茶のほろ苦さを濃厚な豆乳フォームが優しく包み込み、きな粉の持つ素朴な甘みと香ばしさがバランスを取っている。これは美味しい。

【悲報】入店30分ほどで停電。
このお店だけではなく一帯が停電していたようで、停電の中2時間ほど過ごしたのですが、結局退店するまで復旧することはありませんでした…。こんなガバガバインフラの街がホーチミン市で最もクールなエリアってマジ?失望しましたホーチミン市共産党委員会のファンやめます(何を言っているんだ)

